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noteメンバーシップを2024年7月から始めました。Keiが日常的に実践するミクロレベルのソーシャルワークで得た失敗経験を共有し、同じような失敗を予防していく狙いがあります。Keiは学者ではないので体験談が中心ですが、必ずみなさんの実践に還元できます。
みなさんこんにちはKeiです。
救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカーとして働いている社会福祉士9年目です。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。
noteとX (フォロワー2,400人以上)を365日以上毎日更新しています。
ソーシャルワーク関連のブログも発信中です。
本日は、『自分自身のソーシャルワーカーとしての「現在地」を把握しているか?』というテーマを深掘りします。
ソーシャルワーカーとしての「現在地を知る」という重要性
有名な逸話を紹介します。
砂漠でオアシスを探している若者がいました。
喉はカラカラです。
「オアシスはどこだ。」そう思いながら、若者はひたすら歩いていました。
そこに、一人の老人が現れます。
老人は親切でした。地図、コンパス、そしてお水までくれました。
若者は、「これだけあれば大丈夫だ」と意気込み、喉を潤し、地図を広げ、コンパスを握りしめ、若者はまた歩き出しました。
でも、若者はオアシスに辿り着けませんでした。
なぜでしょうか。
『自分の「現在地」を知らなかったから』です。
地図もコンパスも水も揃っていましたが足りなかった情報がただ一つ。
「自分が今、どこにいるか」という情報でした。
地図とコンパスと水は、「現在地」を知らなければ意味がない
この話は、ソーシャルワーカーの世界にもそのまま当てはまります。
地図は、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義です。
人と環境の相互作用、社会正義、人権……
社会福祉士という仕事がどんな領域をカバーしているのか、その全体像を描いてくれます。
コンパスは、ソーシャルワーカーの倫理綱領です。
「この場面ではこちらを優先せよ」といった行動レベルで方角を示してくれます。
水は、研修の修了証や資格取得、同僚からの「よくやってるね」などの一言です。
乾いた心を潤し、もう一歩前へ進む力を与えてくれます。
どれも大切なものですが、「現在地」を教えてくれるものではありません。
地図は全体像を、コンパスは方角を、水は一時的な活力を与えてくれるものです。
しかし、この3つをどれだけ集めても、自分が今どこにいるのかは、一向にわかりません。
特に水が手に入ると、「もう十分準備はできている」という安心感が生まれ、「現在地」を確認するという重要な行動を忘れてしまうことがあります。
水だけは、「現在地」を知らなくても効いてしまう
「現在地」がわかるからこそ、地図(グローバル定義)とコンパス(倫理綱領)は、アクセルにもブレーキにもなります。
方角が正しくても、自分の立ち位置がわからなければ、その方向へ踏み出すことも、立ち止まることもできません。
地図とコンパスを持て余している人は、まだ安全な状態です。少なくとも、「自分はまだ使いこなせていない」ということに気づけているからです。
一方で、水は方角を間違えていても、喉が渇いていれば美味しく飲めてしまいます。
「現在地」を誤っても、水は変わらず喉を潤してくれます。
- 研修に参加した
- 資格を取得した
- 上司に評価された
この「水を飲んだ」実感が、「オアシスに近づいている」という錯覚を生みます。
実際には現在地を誤ったまま、その場で足踏みしているだけかもしれないのに、満足感がそれを覆い隠してしまうのです。
これが「やっている感」の正体です。歩いた距離は増えても、オアシスとの距離が縮まっているとは限りません。

「現在地」を見誤ったまま歩くソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーは、越境者です。
医療、福祉、行政、児童……
複数の専門領域の間を、日々行き来しています。
この越境の多さによって、「自分がどのポジションから発言しているのか」を見失います。
- 代弁者として話しているのか
- 調整者として関わっているのか
- ただその場を丸く収めたいだけなのか
これらを把握しないまま、「クライエントの自己決定権を尊重しています」と言っても、それは方角だけを確認して満足している状態かもしれません。
現在地を誤認すると、本当は直接対話する勇気が持てず、支援を丸投げしているだけなのに、それを「自己決定の尊重」と呼んでしまう危険があります。
コンパスは正しい方角を示していても、「現在地」がずれていれば、辿り着く場所もずれます。
「このソーシャルワーカーに頼まれたら(ポジティブな意味で)仕方ないか」という信頼は、自分の立ち位置を正確に把握している人にしか育ちません。
「現在地」を知ることが大事
地図もコンパスも水も、他人から受け取ることができます。
研修に参加すれば知識や技術は得られます。本を読めば新しい視点を手に入れられます。先輩からの承認は、歩み続けるための力になります。
しかし、「現在地」だけは自分で確認するしかありません。
- 自分の得意なことや苦手なこと
- 大切にしている価値観
- 今、自分がどのような環境の中にいるのか
こうした「現在地」を定期的に振り返る作業は、誰にも代わってもらえません。
老人は親切です。
地図もコンパスも水も、惜しみなく分け与えてくれます。頼めば、必要なだけ与えてくれるでしょう。
しかし、「現在地」を教えてほしいと頼む人はいません。
「現在地」を確認する方法も、頼み方も、自分自身にしかわからないからです。
キャリアに悩んだとき、私たちはつい新しい地図を探します。新しいコンパスを手に入れようとします。もっと水を求めます。
しかし、「現在地」がわからないと、次に何を学ぶべきかにも気づけません。
オアシスに辿り着くために必要なのは、より良い地図でも、より正確なコンパスでも、より多くの水でもありません。
「現在地」を知ることです。
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ではまた。


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