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【体験談あり】福祉分野におけるスーパービジョンを徹底解説

業務分析・開発

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noteを2023年11月から始めました。ブログでは発信できない医療ソーシャルワーカーのタブーを表面化していこうと考えています。「MSWってこうだけど表ではいえない」を代弁しますのでぜひ読んでみてください。

・スーパービジョンってなに?

・スーパービジョンを受けるにはどうすればいいの?

・スーパービジョンのメリットデメリットを知りたい!

スーパービジョンという名前は聞いたことがあっても実際に受けた経験がある社会福祉士は多いとは言えません。

私は社会福祉士として5年以上医療機関で働いています。私自身がスーパービジョンを受けたことで、その後のソーシャルワーク実践に自信が付きました。

当記事では「スーパービジョンの基礎知識」について解説します。最後まで記事を読めば、福祉分野におけるスーパービジョンの重要性が分かります。

スーパービジョンを受ける(する)ことで日頃の実践を振り返ることができます。スーパーバイジー(スーパーバイザー)から見た視点と併せて振り返ることで知識や技術の活用の仕方や、クライエントへアプローチする引き出しが増えます。

Kei
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スーパービジョンを社会福祉士のスキルアップとして活用しましょう。

スーパービジョンの目的は専門性を高めること

認定社会福祉士認証・認定機構でスーパービジョンの目的は以下のようになっています。

スーパーバイジーの実践学習と専門職としての知識と技術への訓練を促進・支援するためにソーシャルワークの視点から実施するもので、スーパーバイジーとなる社会福祉士が次の各号に掲げる事項を獲得すること

  • 社会福祉士としてのアイデンティティを確立する。
  • 専門職として職責と機能が遂行できるようにする。
  • 個別支援・組織・地域のすべてのレベルにおける実践力を開発する。
認定社会福祉士認証・認定機構

熟練した援助者(スーパーバイザー(以下バイザー))は経験の少ない援助者(スーパーバイジー(以下バイジー))の専門性を高め、より良い援助を行えるようにするために、知識や技術、価値や倫理を提供し、フィードバックや評価を行います。

Kei
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バイジーは、バイザーからの指導を受けながら、自分の業務や課題について振り返り、学習や成長を目指します。

スーパービジョンの体験談は下記で解説しています。

スーパービジョンの機能3つ「支持」「教育」「管理」

バイザーからバイジーへ次の3つの機能を提供します。

  • 支持的機能
  • 教育的機能
  • 管理的機能

この3つの機能に優劣はなく、相互に影響し合います。場面によりますが、常に支持的機能は意識する必要があります。
「背中を見て学べ」といった指導方法もありますが、支持的機能が根底になければ、バイジーの信頼は得られません。

支持的機能は心理面を支える機能

援助過程で葛藤を抱えたバイジーに対して、傾聴や自己覚知を促すなど精神的に支えることでバーンアウトを防ぎます。

社会福祉士の国家試験に支持的機能の事例問題が出題されています。

事例を読んで、スーパーバイザーの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

就労移行支援事業所に勤めるR職員は、利用者Sさん(39歳,男性)が、ここ2か月ほど元気がなく、いつも汚れた服を着ていることが気になっていた。Sさんの家族と話をする必要性を感じ、家族に電話をしたところ、Sさんの父親に「お前に何がわかるのだ」と怒鳴られ、一方的に電話を切られた。R職員は再度電話をしようとしたが、怒鳴られたことがショックで電話がどうしてもできなかった。そのことを上司によるスーパービジョンの場で報告した。

  1. 早急に心理治療を受けるように促す。
  2. R職員に代わって電話をし、父親とR職員との関係を修復する。
  3. 家族に電話をすることのもつ難しさについて、R職員と話し合う。
  4. ピア・スーパービジョンを設定し、R職員の心理的弱さを取り上げる。
  5. R職員が適性を欠いていることを所長に報告する。
第23回社会福祉士国家試験 問題108

問題の答えは「家族に電話をすることのもつ難しさについて、R職員と話し合う。」です。

実際のソーシャルワーク実践でも問題のような辛い経験はあります。その時は大変ですが、逃げずに向き合うことができれば、その辛い経験した分の引き出しが増えていきます。

Kei
Kei

バイザー(上司)からみれば経験の少ない社会福祉士の対応が「物足りない」と感じるときもあります。しかし、バイザーがR職員(バイジー)に変わって対応するのは、R職員の成長に繋がりません。

支持的機能は医療ソーシャルワーカーにとって非常に重要な機能です。以下の記事で解説しています。

≫ 病院における医療ソーシャルワーカー(MSW)の役割と現実

教育的機能は価値・知識・技術を教える機能

援助を適切に進められるよう、バイザーによる指導のもと実践に必要な知識や技術などを向上させる機能です。

教育的機能は最もなじみのある機能です。仕事のアドバイスや知識の習得などバイザーからあらゆる技術を学びます。

教育的機能に関する国家試験も出題されています。

事例を読んで、スーパーバイザーが対処するに当たって、優先すべき機能として、より適切なものを2つ選びなさい。

Mさんは、難病の症状悪化のため入院中である。早期の退院を望んでいるが、主治医は入院治療を継続する予定だという。担当のAソーシャルワーカー(社会福祉士)は、家に残してきた幼い子どもが心配でたまらないというMさんの気持ちに共感し、自宅療養の可能性を探ることを院内カンファレンスで提案した。ところが、医療スタッフと激しく対立したままカンファレンスは終わり、Aソーシャルワーカーはオフィスに戻ってきて医療スタッフを感情的に批判している。また、スーパーバイザーの元には、Mさんの主治医からAソーシャルワーカーに対するクレームが寄せられた。

  1. 開発的機能
  2. 教育的機能
  3. 媒介的機能
  4. 支持的機能
  5. 管理的機能
第27回社会福祉士国家試験 問題114

問題の答えは「教育的機能」と「管理的機能」です。

Aソーシャルワーカーの思いが先走っていて、周りが見えない状況になっていることが予想されます。

下記に対して指導をしていくことが教育的機能です。Aソーシャルワーカーの真っ直ぐな気持ちに対しては、支持的機能を活用します。

・入院継続が必要である理由

・感情的に批判する態度を指摘

・Mさんが入院治療に専念できる仕組みづくり

Kei
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Aソーシャルワーカーが考えなければならないのは、Mさんが子供のことを心配せず、治療に専念できるようなアプローチをする(受診・受療援助)ことです。

管理的機能はバイジーの業務を管理する機能

所属する機関や、その業務内容などについて正しく理解させるとともに、組織全体の管理や職場環境の整備によってバイジーが組織の一員として活動できるように働きかける機能です。

先ほどの事例を再度活用して解説します。2つ目の答えである「管理的機能」の解説です。

事例を読んで、スーパーバイザーが対処するに当たって、優先すべき機能として、より適切なものを2つ選びなさい。

Mさんは、難病の症状悪化のため入院中である。早期の退院を望んでいるが、主治医は入院治療を継続する予定だという。担当のAソーシャルワーカー(社会福祉士)は、家に残してきた幼い子どもが心配でたまらないというMさんの気持ちに共感し、自宅療養の可能性を探ることを院内カンファレンスで提案した。ところが、医療スタッフと激しく対立したままカンファレンスは終わり、Aソーシャルワーカーはオフィスに戻ってきて医療スタッフを感情的に批判している。また、スーパーバイザーの元には、Mさんの主治医からAソーシャルワーカーに対するクレームが寄せられた。

  1. 開発的機能
  2. 教育的機能
  3. 媒介的機能
  4. 支持的機能
  5. 管理的機能
第27回社会福祉士国家試験 問題114

「医療スタッフと激しく対立したままカンファレンスは終わっている」ここに対してバイザーは管理的機能を発揮します。

バイザーの管理的機能は、多職種連携において大きな効力があります。Aソーシャルワーカーの情報だけではなく、主治医も含めてチームで力が発揮できるように働きかけることが必要です。

Kei
Kei

管理的機能には仕事を調整する機能が含まれます。現場からすると少し分かりにくいですが、重要な機能です。

スーパービジョンのメリット【3つ】

スーパービジョンを実際に受けた経験がある私がスーパービジョンのメリットを3つ解説します。

バイザーは、私が働いていた病院の医療圏内で有名なソーシャルワーカーへ電話で依頼しました。事前面談を挟んで契約に至りました。当時のバイザーとはスーパービジョン終結後も親交があり、定期的に食事に行きます。

ストレスや悩みを軽減する(支持的機能)

バイザーから共感や理解を得られ、心理的・情緒的にサポートが得られて、自分の感情や考え方を客観的に観察する方法を示されることで、自己覚知が促進されます。

忙しい業務の中で自己覚知のプロセスを踏むことは簡単ではありません。スーパービジョンという実践とは異なる環境であるからこそ腰を据えて自己覚知に向き合うことができます。

私がスーパービジョンを受ける前は「クライエントに対してのアプローチが本当に正しかったのか」というジレンマに自問自答する日々が続いていました。バイザーから支持的に対応してもらえたことで、ジレンマに対するストレスが大きく軽減しました。

≫ 医療ソーシャルワーカーの仕事がきつい原因はコレ1択!

ソーシャルワーカーの専門性が高まる(教育的機能)

バイザーから知識や技術、価値や倫理を提供され、自分の業務や課題について振り返り、学習や成長を促進できます。

バイザーは、バイジーの数倍に及ぶ実践の経験値があるため、バイザーの過去の経験から学べることも少なくありません。

私は平時の業務をソーシャルワークに落とし込むことの重要性を学びました。社会福祉士の業務は倫理綱領行動規範業務指針といったような指標が定められています。

ジレンマや支援に行き詰まることがあれば、これらの指標と照らし合わせて問題の解決方法を模索するようにしています。

スーパービジョン以前は「私だったらこうするな」「先輩だったらこうするかも」というような私観が前面に表出してジレンマに陥っていましたが、指標が明確になったことでソーシャルワーク実践に自信を持てるようになりました。

≫ 社会福祉士になれたら“勝ち組”なのか

業務を効果的・効率的・倫理的に遂行できる(管理的機能)

組織内・外によって異なりますが、社会福祉士の働き方を守る上で利点があります。

組織内のバイザーであれば、業務量の調整や人員配置の指示を受けられ、適切な環境で働くことができます。バイザーからフィードバックや評価を受けられ、業務の改善や目標の設定を行うことができます。

組織外のバイザーであれば、クライエントへのサービスの質や組織の機能を第三者の視点から評価することができます。バイザーからクライエントの状況や背景を説明され、援助のメカニズムや対応方法の引き出しを増やせます。

私はバイザーの組織体制とバイジーの組織体制を比較しながら組織の仕組みについて学ぶことができました。

「クライエントへの倫理と同じくらい地域への倫理が重要である」私のバイザーの格言です。この一言で「自分は「追い出し屋」なのかな」というジレンマを払拭しました。「地域のために早期の退院支援を行う視点」が身に付き、心理的負担が軽減しました。

≫ 医療ソーシャルワーカーが病院の「追い出し屋」にならないための交渉術

スーパービジョンのデメリット【3つ】

スーパービジョンのデメリットはバイザーと契約するまでのハードルの高さです。周りにスーパービジョンを受けているソーシャルワーカーがいなかったので、右も左も分からないまま認定社会福祉士認証・認定機構の「スーパーバイザーリスト」からバイザーを選びました。

一人目に依頼した方は対応人数がキャパオーバーでお断りとなり、二人目で契約できました。

自主性や創造性を阻害する

バイザーから過度な指導や干渉を受けると、バイジーは自分の考えや思考が停止し、依存的や受動的になることがあります。

バイザーから受けた指導から逸脱した事態になった際に考える力がないと組織への損失やクライエントの不利益を最小限に抑えることができません。

このデメリットは、新人のソーシャルワーカーが陥りやすいです。バイザーの指導を全て鵜呑みにするのではなく、比較検討して自分なりのソーシャルワークを展開する必要があります。

Kei
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研修一つとっても「この研修いく人?」のように参加を募る形ではなく、自主的に「この研修に参加したいです!」と言えるような仕組み作りが必要です。

プライバシーや自尊感情を傷つける

バイザーから不適切な評価や批判を受けると、バイジーは自分の能力や価値を否定され、恥ずかしさや劣等感を感じることがあります。

経験が薄いバイジーにもバイザーと同等の知識や技術を求めてくる場合がありますが非常に不適切です。バイザーの能力とバイジーの能力に差があるのは当然ですので、バイジーと同じ土俵ではなく、バイザーの土俵で適切な評価をする必要があります。

インターネットが発達した近年は年に1回あるかないかの知識を覚える必要はありません。知識を高めるよりもクライエントとの信頼関係を高めることに価値がある時代になっています。

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組織や社会との関係を疎外させる

バイザーとバイジーの間に過度な親密さや同調圧力があると、スーパーバイジーは組織や社会の多様性や変化に対応できなくなることがあります。

同調圧力は、一見すると「バイザー→バイジー」の構図が浮かびそうですが近年は「バイジー→バイザー」の構図も多く見られます。

多様性の変化で若者に「怒られ耐性」が無くなっているためです。「怒られて仕事中に凹んで他の仕事に手が回らなくなる」「怒られた不満から不貞腐れた態度をとる」ことも徐々に増えてきています。

特に組織内のスーパービジョンで頻出します。「親密さ」と「馴れ合い」は紙一重です。「バイザーを一度怒る程度では信用を損なわない関係」を構築することが重要です。

まとめ

今回は「スーパービジョンの基礎知識」について解説しました。基礎知識が身に付いたら実際に外部のスーパービジョンを受けることをオススメします。

私がスーパービジョンを受けた体験談はnoteで読むことができますのでこちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。

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※この記事の「スーパービジョン」は認定社会福祉士認証・認定機構の個人スーパービジョンを受けた体験談です。

「スーパービジョンはハードルが高いけど、実践に役立つ知識を身につけたい!」という人には下記の記事がおすすめです。この記事を読めば、クレームを事前に察知して適切な対応を行うことができます。

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現役社会福祉士6年目。
救命救急センターの医療ソーシャルワーカー。
社会福祉士取得後最速で「認定医療ソーシャルワーカー」「救急認定ソーシャルワーカー」の資格取得に挑戦中。
資格:社会福祉士、第一種衛生管理者、両立支援コーディネーター、がん専門相談員。
趣味:筋トレ、サウナ、音楽フェスにいくこと。愛猫を愛でること。

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