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【2024年最新】現役社会福祉士6年目が本気で考える今後の需要と将来性

働き方

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noteを2023年11月から始めました。ブログでは発信できない医療ソーシャルワーカーの実践を表面化していこうと考えています。「MSWってこうだけど表ではいえない」を代弁しますのでぜひ読んでみてください。

ソーシャルワークという学問は非常に興味深い一方で、その学問が根底にある社会福祉士は、今後も仕事として継続できるか不安を抱えている人は多いです。

私は社会福祉士の将来性に関するスーパービジョンを1年間実施し、分野ごとの社会福祉士の需要や年収についての考察を行ったため、社会福祉士の働き方についての知識を深めることができました。

当記事では「社会福祉士の需要と将来性について」分野別に解説します。

結論から申しますと、社会福祉士の今後の将来性は伸びしろしかありません。

良い面では需要、将来性が高いこと、悪い面では、年収が上がっていくのか不透明であることが様々なことを調べていくうちにわかってきました。

Kei
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良い部分はより良く、悪い部分は良い部分に少しでも近づけるように、今後について一緒に考えていきましょう。

  1. 社会福祉士就労状況調査を元に考察
  2. 高齢者福祉関係は需要が今後も増え続ける
    1. 高齢化が進む日本で需要がないはずがない
    2. 年収は上がることが予測されるが時期は不透明
    3. 将来性は間違いなくあるが、年収がいつ上がるかは不透明
  3. 障害福祉関係の可能性は無限大
    1. 法律が整っていないからこそ、社会福祉士の需要はある
    2. 年収は上がっていくことが予想されるが、リスクもある
    3. 将来性抜群で年収も上がる可能性が高いが働き方は未知
  4. 児童・母子福祉関係は現在最も注目されている
    1. 子ども家庭ソーシャルワーカーの誕生により、需要は高まる
    2. 年収は上がるが、業務内容は複雑性を増すばかり
    3. 将来性があり、年収も上がりそうであるが…
  5. 医療関係は需要が高まるが、年収が上がる見込みは低い
    1. 心理的・社会的問題の多様化で需要は増加している
    2. 医療機関という組織の都合上、年収は上がらない
    3. 需要は高まるが、年収が上がらないという負のスパイラル
  6. 地域福祉関係は、地域包括ケアシステムの担い手として期待されている
    1. 地域包括ケアシステム構築が至上命令であり、需要は爆上がり
    2. 地域福祉においてなくてはならない存在であるが、年収は上がらない
    3. 地域住民に最も身近な存在なのに、年収が高くないことに違和感
  7. この記事のまとめ

社会福祉士就労状況調査を元に考察

当記事は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公開している以下のデータを参考に考察していきます。

社会福祉士の将来性を考察するにあたり、社会福祉士の現況について以下のこと押さえておきましょう。

  • 男女比は約3割が男性で約7割が女性という比率になっている
  • 年齢比は30代〜50代が約5割で最も多い
  • 全体の平均年収は、令和2年度時点で403万円
  • 社会福祉士以外の資格を保有する割合が約8割で、その中でも介護支援専門員(ケアマネ)の資格保有者が最も多く、次いで介護福祉士が多い

社会福祉士の登録者数は、公開されている最新版によると令和5年7月末現在で286,841人です。

考察内容は、以下3項目です。

  • 需要
  • 年収
  • 将来性
Kei
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ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

高齢者福祉関係は需要が今後も増え続ける

高齢者福祉関係の社会福祉士は、全体の39.3%を占めており最も多いです。

勤務先は、介護老人福祉施設、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなど様々です。

Kei
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社会福祉士の王道と言える高齢者福祉関係は、現在も根強い人気があります。

高齢化が進む日本で需要がないはずがない

厚生労働省における我が国の人口についてによると、日本の高齢化率は、世界の高齢化先進国の中で、世界最高の29.1%(2022年)でした。2040年になると、35.3%に達すると予測されています。

団塊の世代が75歳以上が後期高齢者となる2025年は目前に迫っていますが、そこまでに高齢化問題は解決しそうにありません。

その先の2040年に、日本の人口は約1億1000万人になり、1.5人の現役世代(生産年齢人口)が1人の高齢世代を支えるかたちになると予測されていることを考慮すると、高齢者福祉関係の社会福祉士の需要がないはずがありません。

年収は上がることが予測されるが時期は不透明

高齢者福祉関係で就労されている社会福祉士の平均年収は392万円でした。

最も高い平均年収は、介護老人福祉施設の423万円です。

先述した需要の観点から、高齢者福祉関係の社会福祉士は年収が増えていくことが予想されます。

しかし、実際の現場はどうでしょうか。介護職員処遇改善加算によって介護士等の処遇が見直され、少しずつではあるものの、収入が上がった介護士が増えています。

一方で、社会福祉士や、ケアマネジャー等、相談職の処遇は改善されておりません。

Kei
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社会福祉士や、ケアマネジャーの資格をとったけど、お給料が安いから介護士を続けている」というような現象が現場では起こっています。

介護士の処遇が改善されたことにより、社会福祉士のなり手が減少しているという考え方もできます。

介護士の処遇改善にプラスαで社会福祉士の処遇改善を組み込めれば、年収が上がる可能性があるでしょう。

将来性は間違いなくあるが、年収がいつ上がるかは不透明

先述した高齢化問題を踏まえて高齢者福祉関係の社会福祉士の需要があることは明確です。

年収は、介護士の処遇が見直されている現状で、いかに社会福祉士の必要性を訴えていけるかがポイントになりそうです。

「高齢化社会に社会福祉士あり!」と思えるような社会福祉士を象徴できるものが見出せれば、世間からの認知も高まり、年収アップが見込めるでしょう。

介護・福祉の転職サイト『介護JJ』

障害福祉関係の可能性は無限大

障害福祉関係の社会福祉士は17.6%となっており、高齢分野に次いで多いです。

勤務先は、障害者支援施設、相談支援事業所、就労支援事業所等です。

Kei
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障害福祉関係の社会福祉士は、個人的に1番注目しています。障害福祉関係は、起業をされる社会福祉士が多いことも特徴です。

法律が整っていないからこそ、社会福祉士の需要はある

SDGsの考え方を筆頭に「障害者も社会の一員である」という文化は、日本を含む全世界で根付いてきました。

しかし、確固たる法律である、障害者総合支援法以外の法律に馴染みがない方々も多いのではないでしょうか。

障害福祉関係は、需要はあるものの、詳細な法律が整っていません。

懸念される問題点としては、法律が整っていないことを逆手にとって、障害者を悪徳に利用されることです。

権利擁護をしっかりと勉強している社会福祉士が、障害福祉を引っ張っていくことは有効です。

≫ ソーシャルワークとは?世界一簡単に解説

年収は上がっていくことが予想されるが、リスクもある

障害福祉関係で就労されている社会福祉士の平均年収は401万円でした。

最も高い平均年収は、身体障害者更生相談所(公務員)の504万円です。

一般企業にも障害者雇用枠が設けられるようになったことも考慮すると、障害分野の社会福祉士の年収は上がっていくことでしょう。障害福祉関係の中でも就労支援事業所はかなりの勢いで普及されています。

しかし、年収が上がっていくのは雇用される社会福祉士ではなく、起業する社会福祉士です。

障害者支援施設や、就労支援事業所等を自ら開設する必要があります。

将来性抜群で年収も上がる可能性が高いが働き方は未知

障害福祉関係の社会福祉士は将来性抜群ですが、法整備の観点から考えると依然として発展途上です。

近しい制度である介護保険制度と比較しても、柔軟に対応できているとは言い難い状況であるため障害者に関する法整備を進めていくことは急務です。

社会福祉士が中心となって障害福祉関係の事業を展開することで、年収アップも見込めます。

しかし、一から事業を築き上げていくことが必要になるためリスクも伴います。雇用されている障害福祉関係の社会福祉士の年収は、まだまだ現状維持です。

児童・母子福祉関係は現在最も注目されている

児童・母子福祉関係の社会福祉士は8.2%となっています。

勤務先は、児童相談所、乳児院、児童養護施設、障害児施設等です。

子ども家庭ソーシャルワーカーの誕生により、需要は高まる

2023年に4月1日から子ども家庭庁が新たな行政機関として設立されました。並びに新たな資格である、こども家庭ソーシャルワーカーが誕生しました。

ヤングケアラーをはじめとした子育て世帯を取り巻く様々な社会課題、育児と仕事を両立する困難さ、保護者自身の病気や障がい、親の介護、家庭内暴力、貧困、孤立化、虐待など児童・母子福祉関係に関する課題は山積みです。

こども家庭ソーシャルワーカーは、社会福祉士から取得するルートもあるため、国が児童分野に力を入れていることがわかります。

年収は上がるが、業務内容は複雑性を増すばかり

児童・母子福祉関係で就労されている社会福祉士の平均年収は414万円でした。

最も高い平均年収は、児童相談所(公務員)の532万円です。

児童・母子福祉関係の社会福祉士は業務内容の複雑性、ストレスの両面から定着率が低いとされています。千葉県の児童相談所のように、行政機関が児童・母子福祉関係を募集しても、定員割れになってしまう自治体が少なくありません。

国も児童・母子福祉関係に関しては、保育士と併せて処遇改善に乗り出してくる可能性が高い反面で、深刻な少子化も相まって業務内容は複雑化します。

子どもの相談援助は多大な責任を負うことになるため、その環境におかれる社会福祉士は、やりがいとストレス過多が表裏一体です。

Kei
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未来が希望に溢れている子どもの支援は、将来の人格像に直結します。

将来性があり、年収も上がりそうであるが…

児童・母子福祉関係の社会福祉士は、各分野の中で2023年は1番注目されることが予想されます。

子ども家庭ソーシャルワーカーという新しい資格の導入を国が予定していることから、なり手を確保する目的で社会福祉士の年収は上がっていきます。

一方で、子ども家庭ソーシャルワーカーという資格は必要なのかという点も疑問が残ります。

認定社会福祉士制度における認定社会福祉士(児童・家庭分野)との明確な棲み分けが公表されておらず、各資格の役割をどのように差別化するのかが懸念されます。

認定社会福祉士5分野で児童・家庭分野の認定数は62名であり、他分野の認定社会福祉士と比較すると認定数が最も少ないです。

Kei
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専門性を担保するのであれば、社会福祉士の資格取得を促すべきだと個人的には思いました。

医療関係は需要が高まるが、年収が上がる見込みは低い

医療関係の社会福祉士は15.1%となっています。

医療関係の社会福祉士は、医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれています。

勤務先の多くが病院、診療所で、医療関係の社会福祉士は医療機関唯一の福祉職として臨床しています。

医療ソーシャルワーカーの詳細については下記で解説しています。

≫ 医療ソーシャルワーカーの役割について

心理的・社会的問題の多様化で需要は増加している

複雑な現代社会で多岐にわたる心理的・社会的問題に専門的にアプローチできる社会福祉士の需要は、今後も高まります。

医学や看護学など様々な学問が混在する環境でソーシャルワークは唯一の福祉的な学問であり、医療機関で重要な役割を果たしています。

医療ソーシャルワーカーはニーズの多様化に伴いクライエント、組織、地域等の様々な板挟みにあいます。板挟みについては下記の記事で解説しています。

≫ 医療ソーシャルワーカーの「板挟み」を徹底解説

医療機関という組織の都合上、年収は上がらない

医療関係で就労されている社会福祉士の平均年収は399万円でした。

最も高い平均年収は、その他の医療機関の408万円です。ちなみに病院は398万円です。

医療業界は「医師の働き方改革」「看護職員等の処遇改善」の真っ只中です。それを差し置いて、医療ソーシャルワーカーの年収が改善されるとは考えにくいです。

病院の薬剤師が不足している問題も顕在化してきているため、医師と看護師の次は薬剤師確保に向けた処遇改善政策が濃厚です。

薬剤師の次は理学療法士や診療放射線技師といった診療の補助をしている専門職にシフトされるため、医療ソーシャルワーカーの年収は、組織全体の理解がない限り上がりません。

厚生労働省より令和6年1月4日の令和5年度 第12回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、診療報酬(+0.61%分)で対応する賃上げの対象職種の中に社会福祉士及び精神保健福祉士の名称があることを確認しました。

しかし内容をみると、社会福祉士の賃上げは「ついでに」感が否めません。正当に評価されて賃金が上がった訳ではなさそうです。詳細は下記の記事で解説しています。

≫ 医療ソーシャルワーカーの給料と年収を考察

需要は高まるが、年収が上がらないという負のスパイラル

医療機関の社会福祉士は、深刻な高齢化や生活の複雑化により需要は高まります。

他分野の社会福祉士よりも比較的年収が高いといわれてきた年収は、先述した通り今後上がっていく見込みは低いです。

急性期の病院には、地域の特徴に沿った課題が集約されてくる傾向にありますが、今後は病院で地域の問題が顕在化するのではなく、病院を受診する前の段階から地域の問題を潜在化する仕組みづくりの構築が求められます。

Kei
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医療ソーシャルワーカーのなり手が不足してしまわないか不安です。

≫ 医療ソーシャルワーカーの仕事がきつい原因はコレ1択!

 

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地域福祉関係は、地域包括ケアシステムの担い手として期待されている

地域福祉関係の社会福祉士は8.4%となっています。

勤務先は、市区町村及び都道府県の社会福祉協議会や福祉事務所です。

社会福祉士の中でも広範囲の分野にまたがるため、よりジェネラルな知識が求められます。

地域包括ケアシステム構築が至上命令であり、需要は爆上がり

社会福祉士のみなさんに地域包括ケアシステムの説明をすることは愚問であるため、説明は省略しますが、2025年目処に構築するとなっていますが、既に間に合いそうにありません。

地域包括支援センターや社会福祉協議会が積極的に働きかけていますが、いまひとつ進展に欠けている印象です。

地域包括ケアシステムを構築するにおいて、地域福祉関係の社会福祉士の活躍は、必要不可欠であるため、需要は高まります。

地域福祉においてなくてはならない存在であるが、年収は上がらない

地域福祉関係で就労されている社会福祉士の平均年収は444万円でした。

最も高い平均年収は、都道府県社会福祉協議会の475万円です。

分野の範囲が広すぎて、対価となる年収の評価が難しい地域福祉関係の社会福祉士の年収は、現時点では上がりそうにありません。

地域福祉を可視化できる仕組みができれば、日頃行っている業務が認められて、年収が上がることも可能性として無くはないですが、現状は難しいです。

地域住民に最も身近な存在なのに、年収が高くないことに違和感

地域福祉関係の社会福祉士はアウトリーチする機会も多くもっと評価されても良いのではないかと個人的に思っています。

評価する部分が曖昧であることが要因で年収に反映されていないのだとすれば、地域包括ケアシステムの構築こそが、地域福祉関係の社会福祉士の価値を大きく高めるチャンスです。

しかし、地域包括ケアシステムを担う社会福祉協議会や地域包括支援センターは地域住民に認知されているとは言い難い状況です。

アウトリーチは社会福祉士のストレングスでもあります。人工知能(AI)が社会福祉士に代替できない決定的な部分を伸ばしていく必要があります。

≫ 社会福祉士がAIに代替できない理由

この記事のまとめ

  • 社会福祉士の需要は高まる
  • 各分野ごとの年収の上がり方は、多種多様
  • 「こども家庭ソーシャルワーカー」や「医療ソーシャルワーカー」としてではなく「社会福祉士」として価値を上げていく必要がある

社会福祉士はお世辞抜きで今後も社会に必要とされます。

しかし、社会福祉士として認知された上で必要とされるのか、認知されずに必要とされるのかによって、社会福祉士の価値は大きく変わるでしょう。

以下の記事では「社会福祉士の価値」について詳細に解説しているのでこちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。

Kei
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社会福祉士全体の価値を上げることが、年収を上げる第一歩になります。

noteではブログでは発信できないソーシャルワーカーの実践について具体的かつ論理的に解説していますので「ソーシャルワーカーの業務を可視化したい」という方は必見になります。

タブーとされてきた医療ソーシャルワーカーのリアルを代弁します|Kei@社会福祉士(X (フォロワー1,000人)、ブログ(月間3500PV))

本で知識を深めるのもオススメです。以下の本はソーシャルワーク実践において重要な視点であるマクロレベルとミクロレベルにフォーカスをあてた本で社会福祉士であれば必ず読み込んでしまう内容となっているので「今日からのソーシャルワーク実践のクオリティを上げたい!」という方は、こちらもぜひご検討ください。

初任者MSWに是非とも読んでほしい本が以下のものです。

この2つの本は、MSWとして臨床している際に、何度も読み直しています。

医療福祉総合ガイドブックは、MSWが日々の臨床で利用する様々な社会資源が解説されており、曖昧になった知識の復習に役立ちます。

マンガでわかる介護入門は、MSWが生涯説明する社会資源No. 1である介護保険制度についての本で、説明回数が多いが故に、怠惰になりがちな心をリセットできる本です。

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