PR
noteを2023年11月から始めました。ブログでは発信できない医療ソーシャルワーカーの実践を表面化していこうと考えています。「MSWってこうだけど表ではいえない」を代弁しますのでぜひ読んでみてください。
医療ソーシャルワーカー(以下MSW)は対人援助職であるため、人間関係をはじめとしたストレスが非常に多いです。
慢性的にストレスのある状況を打破するべく様々なソーシャルワークの文献を読みましたが、ソーシャルワークの実践や理論の本は山ほどあるのに対して、業務に対するメンタルケアの本は、ほぼありませんでした。
私はMSWを5年以上続けてきた中で、数えきれないほど人間関係のストレスを抱えてきました。しかしとある本に出会い、ストレスの原因が明確になったことで心に余裕を持ちながら仕事ができています。
当記事では「MSWのストレスの原因」を解説します。この記事を読めば、ストレスに悩んでいた社会福祉士が、ストレスの原因と対処法を学ぶことができて、ソーシャルワーク実践のクオリティを上げることができます。

MSWの仕事がきつい原因はストレスが多くかかるためです。この記事を最後まで読んで、ストレスをコントロールしましょう。
ストレスには種類が3つある⁉︎
ストレスに種類があること自体把握していない方も多いと思います。
社会福祉士を脅かすストレスは「ショート」「ループ」「ロング」の3種類にわかれています。
身近で頻繁に起こる「ショートストレス」
「日常生活のちょっとしたストレス」のことです。
「痛い」「熱い」「寒い」などの突発的なものが多いです。
MSWのショートストレスは「締切」「課題」等が当てはまります。期限が定められているものはストレスを感じやすいです。
複数回にわたって起こる「ループストレス」
「何度も同じストレスが繰り返される」ことです。
職場や学校など定期的に行かなければいけない場所にストレスの要因がある場合があります。
MSWは他職種連携が必須ですので、相性が良くない方々ともコミュニケーションを取らなければなりません。以下のようなループストレスが蓄積されている人も少なくありません。
- MSWではない部署長からのダメ出し
- 結果しか求めてこない経営陣
- 重箱の隅を突いたような指摘しかしないお局etc…
私も上記のようなストレスを多く抱えており「MSWとしての専門性」と「社会人としての現実」の狭間で毎日のように悩んでいます。
MSWを一番苦しめている「ロングストレス」
「ループストレスが慢性的になることで感覚が麻痺して放置しているストレス」のことです。
MSWは「将来性の不安」についてのストレスが大きいです。

20年以上MSWしてきてこの給料か…
毎日電話等の連絡調整を強いられ、夜遅くまで記録を書いて、帰宅時間が遅いのにも関わらず、お給料が低い社会福祉士の現場は少なくないと思います。
私も「残業代込み」で自分の収入を考えざるを得ないくらい低賃金の職場で日々慢性的なストレスを感じています。
ロングストレスの怖いところは、「ストレスの感覚が麻痺して放置」することで「身体が悲鳴を上げて病気になる」ことがあります。
最悪の場合は「自分で自分を傷つけたり、殺めたり」することもあります。
MSWがロングストレスを多く抱えていることを裏付ける傾向もあります。
いまの社会福祉士の働き方やお給料で、将来うまれてくるかも知れない自分の子どもに誇らしく、「社会福祉士になったほうがいいよ!」なんていえない。
— Kei@社会福祉士 (@kei5850) April 28, 2023
少しでもいえるように、変えていかなければならない。
社会福祉士の国家試験が終わったわけだが、合格点が高かったり、合格率の問題は結果論。
— Kei@社会福祉士 (@kei5850) March 15, 2022
受験者数が減少していることについてのほうが将来的に死活問題になるだろう。
上記のように、私のアカウントで反響の大きいものは、ロングストレスが元になっていることが多いです。
MSWに限らず、社会福祉士の多くが「社会福祉士の将来性について」悩まれていることがわかります。下記に記事で詳細に解説してます。
MSWがストレス過多になる原因は「決めつけ思考」⁉︎
MSWのメンタルを潰しているのは「上司」でしょうか?「組織」でしょうか?
答えは「自分自身」であるとこの文献には書いてあります。
最も打破するべきなのは、自分自身の「決めつけ思考」です。
人間は、自分自身が思っている以上に「主観的な生き物」です。
「MSWなんだから客観的思考に決まってるやん」と思ってこの記事から去ろうと思った方々待ってください!本当に客観的に物事を捉えることができているか今一度振り返りましょう。
「自責」と「他責」を主観として捉えてしまう
決めつけ思考の最たるものが「自責型社会福祉士」と「他責型社会福祉士」いずれかのタイプになってしまうことです。
上記2つのタイプに該当するMSWを脳内に思い浮かべることができると思います。しかし、確固たる「事実」に基づいているのか「主観」であるのか見直す必要があります。
「自責型」社会福祉士

私この仕事向いてないからから

私いつも失敗しちゃうんです
上記のように、全て「自分」のせいにしてしまう「自責型社会福祉士」タイプ。
「初任者MSW」や「職場環境が変わったMSW」に多い傾向があります。
「他責型」社会福祉士

うちの組織のまとまり最悪だからやりたいことできない

こんな地域じゃクライエントのニーズに応えられないよ
上記のように、全て「環境」のせいにしてしまう「他責型社会福祉士」タイプ。
みなさんの職場にも少なからずいると思いますし、中には「ギクッ」となった方もいるでしょう。
MSWはクライエントの心を読めない
「MSWだからクライエントの考えていることはわかる」と思っている人は少なくありません。
私もそうでしたが、実際に私のソーシャルワーク実践を振り返ってみると、ここでも「決めつけ思考」が行われていました。
家族が遠方にいると決めつけていたケース
「重度の熱中症で救急搬送されてきた高齢の患者さんの身寄りが不明」とのことでMSWへ介入依頼がきたケースです。
病院は身寄りが乏しい患者さんには今後の治療の方針を家族等と共有するために早急な対応が必要になります。
患者さんと話しても、詳細な情報を話してくれませんでした。このとき私は「家族が遠方で心配をかけたくない」から詳細な情報を教えてくれないのだと思い込んでいました。
しかし、民生委員を介して「家族は徒歩圏内に住んでいる」との情報がわかりました。患者さんの娘さんが来院され「幼い頃から家庭内で暴力を振るわれて疎遠になっていた」ことが明らかになりました。
他職種から「この家族は話が通じない」といわれたケース
元々自立されていた患者さんが排泄に介助を要するようになったため、、MSWへ介入依頼があったケースです。
入院した超高齢患者さん(90代)の身寄りは、独身の息子さんしかいませんでした。この患者さんの息子さんは、MSWが介入する以前から他職種から「話が通じない人」と病棟内で噂が立っていました。
私も普段の2割増しででカルテを読み込んだり、資料を多く持参して「話が通じない人」に向けて対策して面接に臨みましたが「決めつけ思考」であったことに気づきます。
息子さんと面接すると「母親思い」であり、将来的な介護の対応もしっかり考えていたようで、入院と同時に地域包括支援センターへ自ら足を運んで相談をしていました。
他職種からすると、この「母親思い」が「マザコン」にすり替えられてしまい、鬱陶しくなった結果「話が通じない人」になってしまったと推測できます。
電話ではいつも無愛想な人のに対面したら聖人だったケース
連絡調整を行なっていた他病院のMSWの印象に対して「決めつけ思考」でした。
対面でお会いしたことのないものの、連絡調整で頻繁に連絡を取り合うことが多かったMSWのAさん。
電話越しでは声が小さくて聞き取りにくい印象があったため、勝手に無愛想な性格なんだろうなと決めつけていました。
実際に対面会議でお会いした際、Aさんの方から積極的に挨拶してくださり非常に気さくな方でした。
勝手に「性格診断」してしまう
私が働いている病院は高度急性期であるため、患者さんが短期間で頻繁に入れ替わります。
病院は、患者さんや家族の性格診断がされていることが多いです。

〇〇さんて頑固な性格だよね〜
ありがちな会話かもしれませんが、別の方に様子を伺ってみると「あれ?」と思うときがあります。

〇〇さんですか?私がみたときはおだやかでしたよ?
「MSWが対応した際は頑固だったが、看護師にはおだやかだった事実」があるのにも関わらず、脳内で都合よく処理して自分の「主観」で「〇〇さんは頑固だ」と決めつけてしまうことがあります。
本物のストレスには自分自身が「受容」しなければならない
勘違いによる「決めつけ」が社会福祉士のストレスの大半であると述べてきましたが、そうでないストレスもあります。
私を例にとってみると「親しい友人の他界」や地震や大雨などの「災害」に対して非常に大きなストレスを抱えました。
そのストレスに対しては「受容」することが重要です。
MSWに不足しているのは、自分自身を「受容」することです。クライエントに対しての面接で日々受容しているのにも関わらず、自分自身に行っていないのです。
ストレスの対処法は「ストレスを受容して期待せずに生きる」につきます。ビジネスマン、主婦、政治家等どのカテゴリーでも対処法は変わらないとこの本には書かれていました。
「受容」対してのアンテナが高い私たちMSWであれば、実践できるでしょう。
まとめ ストレスの大半は妄想と思い込みからくる「決めつけ」
ここまでに解説した「自責と他責」「心が読める」「勝手に性格診断」からわかる通り、MSWが抱えるストレスの大半は、妄想と思い込みからくる「決めつけ」が原因です。
MSWは心のどこかで「直感が優れている」「クライエントの気持ちがわかる」と思っているかもしれませんが、圧倒的に「勘違い」であることの方が多いです。
過去に当てた回数が何回かあったことで「クライエントの心が読める」と勘違いしているだけです。
決めつけていた大半は外していることを忘れないでください。MSWだとしてもクライエントの心は読めません。
MSWの仕事がきつい原因が判明した後は、具体的なきつい仕事内容を把握することも重要です。
以下の記事では、「MSWのきつい仕事10選」を解説しているので、こちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。
noteではブログでは発信できないソーシャルワーカーの実践について具体的かつ論理的に解説していますので「ソーシャルワーカーの業務を可視化したい」という方は必見になります。

本を活用して勉強することもオススメです。以下の本はソーシャルワークの基本から応用まで余すことなく解説しているので、「ソーシャルワークについてもう一段階学びたい!」いう方は、こちらもぜひご検討ください。
この記事の参考文献
超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド
コメント