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noteを2023年11月から始めました。ブログでは発信できない医療ソーシャルワーカーのタブーを表面化していこうと考えています。「MSWってこうだけど表ではいえない」を代弁しますのでぜひ読んでみてください。
医療ソーシャルワーカー(以下MSW)にとって「面接」は仕事をする上で欠かすことのできません。面接が上手くなりたいと悩んでいるMSWは非常に多いと思います。
私はMSW6年目で実習指導者養成認定研修を終了しており、高度急性期病院のMSWとして数々の修羅場ともいえる面接を行っています。
そこでこの記事では、ソーシャルワーク実践における「面接が上手くなる方法」を具体的に解説します。
この記事を読めば、今日からソーシャルワーク実践における面接のクオリティを一段階アップさせることができます。
「面接技法」に関しては、数々のソーシャルワークに関する文献で既に取り上げられているため「面接内容の伝え方」に焦点を当てて解説していきます。
「追い出し屋」認定される面接は特徴が共通している
今回紹介した文献のポイントは、面接における「説明が下手な人」について詳細に書かれていました。
面接における「説明が下手な人」には共通点があります。
面接における「成功体験」は才能や個性、技術やタイミングなど環境に左右されることが多く、参考にならないことがあるため、再現性が薄い一方で「失敗体験」は共通していることが多いです。
追い出し屋MSWは自分の都合で必死
追い出し屋認定されてしまうMSWの特徴は「自分の都合で必死」な人です。

医師から退院していいっていわれたからすぐに退院させないと。

ベッド満床だから、今日の面接でクラエントをいま空いている施設に入所させたい。
このように切羽詰まった状況に陥っている人も多いことでしょう。面接において何かを説明するとき、最重要なのが「クライエントのメリットを考える」です。
この記事を読んでいるみなさんも「面接が上手くなりたい」というメリットを求めて読んでいるはずです。

歩けるようになるために、リハビリ病院を紹介します

自宅の玄関の段差があがれないのであれば、介護保険で手すりを借りましょう
手すりを使用すれば「自宅の玄関の段差をあがれる」といったメリット。「リハビリ病院」へ入院すれば「歩けるようになる」といったメリット。
面接における説明が上手い人は、常にクライエントのメリットファーストで考えています。
面接は基本的に「結論ファースト」はNG
上司への報告は「結論ファースト」が望ましいと数々の文献に書いてありますがクライエントとの面接において「結論ファースト」の面接は危険です。

早速本題なのですが、急性期病院には長く入院できないので退院しなければなりません。
ソーシャルワーク実践における面接は、すべてがポジティブな内容ではなく、時にはネガティブな内容をしっかりと伝えなければならないときがあります。
クライエントへの面接は「話の展開を事前に構築しておくこと」が重要です。
下記の記事で を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
「話が通じない人」が一定数いることを受け入れる
ソーシャルワークの参考書がわかりにくい理由として、生活する環境や状況が「クライエントによって異なる」ため、具体的な実践方法が書きづらいといった点があげられます。
面接が上手い人は、クライエントによって面接の立ち回りを変えています。現場で最も体力を使うことになるクライエントは「話が通じない人」に尽きます。
対応策は「明らめる」こと
人は自分の理解できる範囲内でしか理解しません。そのため、どうしても伝わらないということは起こり得ます。
時間と労力をかけて理解を得ようとする姿勢は非常に大切ですが、いくら時間や労力をかけても伝わらないクライエントは一定数存在します。
そんなときは「あきらめる」ことも時には必要です。伝わらないという前提で、どうするかを決めましょう。
「あきらめる」には2つの意味があります。
①諦める
投げ出す、執着しないといった比較的ネガティブな意味で用いられることが多い。
②明らめる
仏教の世界で生まれた言葉で「物事を明らかにする」という意味がある。
MSWの「あきらめる」は②であることが望ましいです。
「話が通じない人」には、面接で説明したい内容を全て伝えることに執着せず「なぜ伝わらないのか」という理由を明らかにすることが重要です。
「話が通じない人」は一定数いると割り切りましょう。相談のプロである社会福祉士にかかれば「話が通じない人」なんていないと思っているのはまやかしです。

話が伝わらない理由が明らかであれば、先輩や他の職場の方々も理解してもらえるはずです。
MSWの仕事がきつい理由について下記の記事で詳細に解説しています。
「話が通じない人」を受け入れることでバーンアウトを防ぐ
MSWにとって本末転倒な発信をしたことは自覚しております。
しかし、私の個人的な考え方としては、「100点のMSW」を1人生成するよりも「70点のMSW」を3人生成したほうが、本人や組織にとってもメリットでしかないと考えています。
クライエントは、「100点のMSW」と「70点のMSW」の区別はできません。MSWの専門性は、「一定の領域」を境に、クライエントには区別がつかない領域に達します。
MSWの知識に終わりがなく「一生研鑽」であることは理解しています。しかし「一生研鑽」というゴールのないマラソンを走り続けた結果「バーンアウト」に陥ってしまったMSWを私は何人も知っています。
MSW誰もが100点満点を目指す必要はないと思います。70点のMSWがいたとしても、個別性が生まれて「70点の社会福祉士に相談したい」というニーズは必ずあります。

MSWにも個別性があっていいと思うことができれば、日々失敗していることも含めて個別性ですので心配する必要はありません。
この記事のまとめ 面接が下手でも一生懸命やれば伝わる!
「面接が上手い人」はみなさんの職場にもいると思います。
「言葉遣いのユーモア」があったり、面接の「組み立て方」や「間の使い方」等が上手くなることで、クライエントに刺さる面接が行えるようになることは事実でしょう。
一方で、上記のような技術を即座に使える再現性が薄いことも事実です。
先述しましたが「100点のMSW」と「70点のMSW」をクライエントが区別することは非常に難しいです。
つまり、長所を伸ばして「100点の社会福祉士」を目指すよりも、短所を修正して「70点の社会福祉士」を目指す方が心情的に楽であるということです。
「学生時代のテスト」を思い出してください。
「90点」のテストを「100点」にするには相当の勉強をしなければならないですが、「70点」をとることは、基礎を忠実に勉強していけば可能だったはずです。
残りの「30点」の補填は「一生懸命さ」で十分カバーできます。
先ほどの「学生時代のテスト」になぞれば、「関心・意欲・態度」が十分に評価されると致命的な成績になることはなかったはずです。
この記事の結論は「面接が上手い人」になるよりも「面接が下手な人」にならない方が大事であるということです。
今回は「病院の追い出し屋にならないための面接技法」を解説しました。面接技法も大切ですが「面接の組み立て方」についてはさらに重要です。
以下の記事では「病院の追い出し屋と思わせない面接の組み立て方」について解説しているのでこちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。
MSWが病院でソーシャルワークを実践するには、ソーシャルワークを実践するための「時間」を確保することが重要です。入院期間という限られた期間内で時間をを作るには個人や組織、地域との「調整技術」を磨く必要があります。
noteでMSWの実践で役立つ交渉術や立ち回り、考え方をより具体的に解説していますので、ソーシャルワークを展開するための面接や連絡調整における様々な技術を参考にしていただければ幸いです。

本を活用して勉強することもオススメです。以下の本は一見ソーシャルワークとかけ離れたように感じますが、今回のブログの参考文献として利用しました。社会福祉士に必要な「ニーズの引き出し方」を学びたいう方は、こちらもぜひご検討ください。
バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則
医療ソーシャルワーカーであれば必ず持っておきたい1冊です。
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