noteメンバーシップを2024年7月から始めました。Keiが日常的に実践するミクロレベルのソーシャルワークで得た失敗経験を共有し、同じような失敗を予防していく狙いがあります。Keiは学者ではないので体験談が中心ですが、必ずみなさんの実践に還元できます。
みなさんこんにちはKeiです。
救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカーとして働いている社会福祉士9年目です。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。
noteとX (フォロワー2,400人以上)を365日以上毎日更新しています。
ソーシャルワーク関連のブログも発信中です。
本日は、『資格は点、信頼は線、権威は他者から』というテーマを深掘りします。
AIは文章を書けても、時間は書けない
AIの文章は、数年前と比べて、構成も整い、誤字も少なく、かなり読みやすくなりました。
医療知識を要約させても、ソーシャルワークの理論を解説させても、そつなくこなします。
インターネットが約30年かけて発展し、社会に定着してきたことを考えると、AIの進化はまだ序章に過ぎません。
これからAIがどこまで進化していくのか。その可能性には、大いに期待できるでしょう。
一方で、AIには絶対に生成できないものが「時間」です。
たとえば、私はかれこれnoteを500日以上毎日更新しています。
「noteを500日連続で投稿している」という事実は、どれだけ優秀なAIでも一瞬では作れません。
今日から始めても、500日後にしか手に入らないのです。
プロンプトで「私は500日間」書き続けています」と書くことができても、それはあくまでも「500日書き続けた」という文章を生成しているだけです。
実際に500日を書き続けて、時間を積み重ねたわけではありません。
ここだけは、どれだけAIが進化しても、早送りすることはできないのです。
人は、費やされた時間に価値を見出す生き物です。
- 樹齢3000年以上の縄文杉
- 1400年近く前に建てられた法隆寺
- 400年以上続く伝統芸能「阿波踊り」
「時間」という情報が乗った瞬間、見る目が変わります。
何の変哲もない古い木でも、樹齢千年と知った瞬間、手を合わせたくなるのが人間の感覚です。
価値は機能だけで決まらない。積み重ねられた時間にも、価値は宿ります。
ソーシャルワークの成果は、数字や成果物として残りにくい仕事です。
退院支援がうまくいっても、その裏にどれだけの調整があったかは、カルテには残りません。
私の実践を振り返ってみると、周囲から評価される状況のひとつとして、「この患者さん、退院するまで長かったね〜」といった、支援が長期化した患者さんが退院したときが挙げられます。
#「長期化しない」は当たり前すぎて評価されない
つまり、ソーシャルワーカーの仕事には、「どれだけ時間がかかったか」そのものが、支援の価値として評価されている側面があることは否めません。
500日は、点ではなく血肉になる
私は、認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しています。
どちらも更新制であり、5年ごとに、一定の実践や研修のポイントを積まないと、資格を維持できません。
認定資格を取得するまでには、それなりの時間がかかります。そして、取得した後も、維持するためには時間をかけ続けなければなりません。
その意味で、資格は「時間の蓄積」によって成り立つものです。
更新制である認定資格の大きなメリットは、5年間、実践を積み続けなければ通らない審査です。
つまり認定資格は、「取得までの時間」だけでなく、「更新し続けるための時間」も求められる制度なのです。
一度取得して終わりではなく、時間をかけて学び続けなければ維持できない大変さは、日々の自己研鑽の証明になります。
ただ、更新制資格にも弱点があります。
それは、時間を審査対象にしていても、その解像度が粗いことです。
証明できるのは、あくまで「5年に一度のチェックポイントを通過した」という事実。5年間、日々どのような実践を積み重ねてきたのかまでは分かりません。
極端に言えば、更新直前の数か月にポイントを集中して積んでも、資格は維持できてしまいます。
これは、私自身のnoteにも同じことが言えます。
私もnoteを500日以上、毎日更新しています。
しかし、記事の内容が薄ければ、「500日」という数字も、更新制資格と同じ弱点をそのまま引き受けることになります。
量を積み重ねるだけでは、点が増えていくだけで、線にはなりません。
だからこそ、私が意識しているのは、「続けた日数そのもの」ではなく「一日一日の積み重ねが、次の一日につながる中身を持っているか」ということです。
500日続けたことに価値があるのではありません。
「500日分の時間が生み出した血肉」が、「時間を積み重ねる」という価値になっています。
資格も血肉も、まだ自分の中で完結している
AIには、クライエントや他職種から「この依頼はあなたに頼みたい」と名指しされることはありません。
特定のソーシャルワーカーに、他職種や患者家族が属人的に信頼を寄せるプロセスを「良い意味での癒着」と呼んでいます。
5年に一度の「点」として積み重ねてきた認定資格も、日々の積み重ねから生まれたnoteの「血肉」も、時間をかけたからこそ生まれた、他の人にはない付加価値です。
一方で、「良い意味での癒着」は、そのどちらとも違います。
他職種が問題に直面するたびに、「今回もこの人に頼もう」と繰り返し選び続ける。その積み重ねによって生まれるのが、関係性による権威です。
AIがどれだけ説得力のある文章を書いても、この権威だけは代替できません。権威は、自分の内側にあるものではないからです。
相手から「この人に頼もう」と選ばれ続けたその積み重ねによって、初めて生まれるものです。
権威とは、本質的に他者から与えられるものです。自分で生み出すことはできません。
権威は、自分では作れません。他者が、繰り返しの関係の中で与え続けてくれるものです。
資格取得も、noteの500日も、根っこは同じ「実際にかかった時間」です。
資格はそれを5年に一度の点として区切り、noteの血肉は自分の中に線としてつながっていく。
そして「良い意味での癒着」は、その線を他者が、案件のたびに確認し続けることで生まれます。
時間の蓄積は、誰にでも平等に用意されています。今日から始めれば、いつか手に入ります。
その時間を点で終わらせるか、線としてつなげるかは、自分次第です。
資格を取って終わる人もいれば、そこからさらに時間を積み重ねる人もいます。
AIが追いつけないのは、後者です。
これからのソーシャルワーカーに必要なのは、資格を取ることではなく、時間を、線に変え続けることです。
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ではまた。


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