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noteメンバーシップを2024年7月から始めました。Keiが日常的に実践するミクロレベルのソーシャルワークで得た失敗経験を共有し、同じような失敗を予防していく狙いがあります。Keiは学者ではないので体験談が中心ですが、必ずみなさんの実践に還元できます。
社会福祉士に関する文献読んで思ったこと。
— Kei@社会福祉士 (@kei5850) July 1, 2023
①理論は理にかなっていている。
②実践すればクライエントに還元できる。
③実践方法が具体的に明記されていない。
③を知りたい人って沢山いると思うんだけど、「人による」から詳細に書けないってこと?
これでソーシャルワークが普及する訳がない。
日々の連絡調整や、突発的な対応に追われて、「根拠のあるソーシャルワーク実践を意識して業務を行っている余裕がない」人が非常に多いと思います。
私は、医療分野の社会福祉士(MSW)として就職して6年目になります。医療分野の現場は「ソーシャルワークについて教えられる体制」が整っていない職場が多く自ら研修や文献を読んで勉強するしかありませんでした。
この記事では「現場で明日から活用できるソーシャルワーク実践」を解説します。医療分野の社会福祉士に限らず、全ての分野で応用できる内容となっています。
参考書に載っているような抽象的な内容ではなく、現場の実践に特化した内容となっています。様々な文献を参考に、ソーシャルワーク実践に落とし込んでいるため、日常生活や、ビジネスなどあらゆる場面で活用が期待できます。
ソーシャルワークを現場で教えてもらえないのであれば、社会福祉士歴6年の私が発信して、みなさんの実践の手助けができればいいなと思っていますので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
現場で即座に活用できる援助技術は「心理学」
心理学は、社会福祉士国家試験において「心理学理論と心理的支援」という項目になるほど重要であるといえます。
私は、心理学をソーシャルワークに落とし込むことに対して抵抗を感じていました。
理由は、クライエントの「ニーズを引き出す」というよりも、「操っている」感覚の方が強かったからです。
しかし、心理学を勉強していくうちに、心理学を活用することは、「人の心を大切にして寄り添うこと」であると学びました。
読めば明日から使える心理学の本を紹介します。
一見、ソーシャルワークに関係のなさそうな文献が、実践をする際の起爆剤になることがあります。
メンタリストDaiGoさんが著者である「自分を操る超集中力」はソーシャルワーク実践を行う以前の集中力について化学的根拠を元に述べている本です。
ソーシャルワーク実践を前提として書かれている本ではないため、日常生活にも広く活用できて、非常に有益な内容となっています。
心理学を学ぶと人間関係が改善する
心理学を学ぶと、自分や周囲の人の心や行動を理解するのに役立ち、人間関係の改善につながります。
社会福祉士は「クライエント」や「組織内の専門職」のように、相手の立場によって伝え方を変えなければならない専門職であるため、心理学を活用して相手の心理を把握することは有効です。
後述しますが、心理学と併せて「伝え方」の技術を磨くと、より相乗効果を発揮します。
心理学を活用すると実践の振り返りがしやすい
「この心理学を実践したらこうだった」「この心理学はあのクライエントに効果があった」など、ソーシャルワーク実践を振り返る際に活用ができます。
例えば、「バーナム効果を活用したら、クライエントと早期にラポールを構築できた。」
「バーナム効果」という心理学を活用して、ソーシャルワーク実践を展開したと振り返ることができます。
ラポール構築のが難しいクライエントには、切り口を変えた心理学を活用してみるなど、様々な対策を考えることもできます。
ストレスを溜め込まなくなる
ストレスの原因や、自分に合ったストレスの対処方法が明確になります。
社会福祉士がノンストレスで仕事をすることは難しいかもしれませんが、心理学を活用することでストレスと上手に向き合うことができます。
心理学を活用することで、対クライエントの問題や、対組織の問題の状況を客観的に判断することができます。
ソーシャルワークの専門書は、表現が固く、読みにくいものが少なくありません。
「雑談力」を取り入れてクライエントをアセスメントする!
アセスメントなしでソーシャルワーク実践を語ることはできません。
社会福祉士のアセスメントは、クライエントのニーズを引き出す上で非常に重要です。
ソーシャルワークと「雑談力」は一見対極なイメージにみえますが、雑談力が向上すると、スムーズな面接が行えるようになります。
参考文献はコチラです。
この本を読むとクライエントへ提供する「聞く力」が向上するため、社会福祉士にとって命取りになるコミュニケーションエラーを未然に防ぐことにつながります。
このタイトルの本質は、ぜひ購入して確かめてください!非常に奥深いです。
雑談力を発揮する前に「アセスメント」をおさらい
ソーシャルワーク実践におけるアセスメントとは、クライエントが「どのような人」で「どのような環境」で「どのような問題」を抱えて、その問題を「どのように認識」して(できず)「どのように対処」して(できずに)いるのか。
そのような問題を「どのように評価」して「どうしたい」と考えているのか等を把握していくプロセスであり、その過程における一つ一つの情報です。
上記を雑談の中に落とし込んで話していくと違和感なく、クライエントのニーズを引き出せます。
たった一回の面接で親密になるには「表情」と「見た目」が重要!
限られた時間のなかで、信頼関係を構築するにあたり「第一印象」は欠かせません。
結論とすると、「笑顔」と「服装」と「身だしなみ」が重要です。これで悪い印象をもつ人のほうが少ないでしょう。
クライエント目線で見ると、加点にはならないかも知れませんが、減点対象にはなり得ます。
このことから、社会福祉士の面接をクライエントは「加点方式ではなく、減点方式で評価している」と捉えることができます。
「思わず心を許してしまう聞き方」は技術で会得できる!
あ〜なるほどですね!
そうですね
人と人がコミュニケーションをとる中で、頻繁に耳にするリアクションです。
「そうなんですね」「なるほどですね」のようなあいづちは避ける方が無難です。
違和感のある言い方ですし、「話を本当に聞いているのか?」と不信感を抱かせてしまうでしょう。
「良いあいづち」は以下のものが推奨されています。
「伝わる法則」を身につければコミュニケーションエラーを防げる!
ソーシャルワーク実践において最も避けたいことは、クライエントとの「コミュニケーションエラー」です。
コミュニケーションエラーを未然に防ぐには、クライエントに話したい内容が明確に伝わっているか確認することが重要です。
そこで紹介したいのがこの文献です。
バナナの魅力を100文字で伝えたところで、ソーシャルワーク実践の知識は向上しないかもしれません。
しかし、この本を読むと、クライエントへ提供する「情報の伝わり方」を学ぶことができます。
この個性的なタイトルの本質は、ぜひ購入して確かめてください。非常に奥深いです。
社会福祉士は「伝えるプロ」でなければならない
コミュニケーションエラーによって、支援が成立せず、クライエントや組織等に損害を与えることがあってはなりません。
私たち社会福祉士の「たった1回の面接」でクライエントの予定や、組織の動きに影響を及ぼす場合があります。
外部への責任が生じる際は特に確認が重要です。社会福祉士の面接は「言った」「言わない」の論争に発展しやすい内容が多いです。
面接の最後に面接内容が理解できているか「クライエント」から「社会福祉士」へ伝えてもらうことで対策することができます。
「話がうまい」と「伝え方がうまい」は別物
社会福祉士として、様々な研修に参加する中で、印象に残っている研修と、残っていない研修があると思います。
興味や意欲、内容の問題もあるかも知れませんが、振り返ってみれば、有意義な研修は「講師の先生の伝え方がわかりやすい」に尽きます。
この本の著者である、柿内尚文さんは、伝わるとは、伝えたい相手の心に「印象+記憶」を残すことであると書かれていました。
「気づきがあった」「心に響いた」「学びになった」と感じる研修であれば伝わっている証拠になります。
「伝わる法則」は7階建て構造
「伝え方の技術」を身に付けるには、物事の全体像や本質を理解することが重要です。
私たち社会福祉士のソーシャルワークで活用する際は、「クライエントの頭の中を想像すること」です。
アセスメントで収集した情報により、クライエントがどのような生き方をされていたのかを把握します。そのクライエントの生き方に沿った「伝え方」で支援を展開していきます。
「伝わる構造は、7階建てのビル構造」になっています。
「ディズニーランド」から学ぶソーシャルワーク実践における5つの手順
日々のソーシャルワーク実践で、支援の方向性についての判断を迷うことがあると思います。
丁寧な支援を心がけたいけど、そうすると全体的な効率が落ちて他のクライエントに時間を割けなくなってしまう。
寄り添う支援を重視していたら、一人ひとりのニーズに合った支援を満足に展開できなくなってしまった。
そんなジレンマに対応できるのが、行動規準「The Five Keys~5つの鍵~」です。
参考文献はコチラです。
行動規準「The Five Keys~5つの鍵~」とは、ディズニーランドでいうところのゲストとキャスト双方の幸福のために作られたルールです。
【Safety(安全)】
安全な場所、やすらぎを感じる空間を作りだすために、ゲストにとっても、キャストにとっても安全を最優先すること。
【Courtesy(礼儀正しさ、親しみやすさ)】
“すべてのゲストがVIP”との理念に基づき、言葉づかいや対応が丁寧なことはもちろん、相手の立場にたった、親しみやすく、心をこめたおもてなしをすること。
【Inclusion(インクルージョン)】
さまざまな考え方や多様な人たちを歓迎し、尊重すること。すべての鍵の中心にあり、他の4つの鍵のどれにも深く関わる。
【Show(ショー)】
あらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、施設の点検や清掃などを行うほか、キャストも「毎日が初演」の気持ちを忘れず、ショーを演じること。
【Efficiency(効率)】
安全、礼儀正しさ、ショーを心がけ、さらにチームワークを発揮することで、効率を高めること。
この基準は、ソーシャルワーク実践にも応用することができます。
今回は3つ解説しますが、5つ全て知りたいという方は将来的にnoteで解説を予定しています。
「Safety (安全)」はソーシャルワーク実践においても最重要
「Safety (セーフティー)」は、直訳すると「安全性」です。
ソーシャルワーク実践において最も避けたいことは、先述しましたがクライエントとの「コミュニケーションエラー」です。
「Safety」を担保するために、社会福祉士は様々な社会資源を活用して「情報の安全性」を守らなけれればなりません。
「情報の根拠はあるか」「情報の信頼性はあるか」「情報の有益性はあるか」クライエントのニーズと照らし合わせながら実践する必要があります。
コミュニケーションエラーを防ぐためには、「情報の伝わり方」が重要であるといえます。
「Inclusion(インクルージョン)」はソーシャルワーク実践に落とし込まれている
「Inclusion(インクルージョン)」は、福祉の業界でも広く謳われている用語です。
直訳すると「包摂」です。全体をまとめる、包み込むという意味を持ちます。
社会福祉士もディズニーランドと同等の考え方である「社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)」が提唱されています。
ソーシャルインクルージョンとは、EU諸国で生まれた福祉政策の理念であり、差別や排除の対象となる人々を社会的なつながりを構築することにより、社会の構成員として支え合う・包摂するという考え方。
日本社会福祉士会や日本医療ソーシャルワーカー協会等社会福祉士の職能団体は、倫理綱領「社会に対する倫理的責任」において、ソーシャルインクルージョンが規定されています。
≫ ソーシャルインクルージョンが普及すればSDGsが普及する!
「Show(ショー)」はソーシャルワーク実践で欠かせない
「Show (ショー)」は、直訳すると「見せる」、「示す」といった意味があります。
ディズニーランドのキャストは「毎日が初演」の気持ちを忘れず、ショーを演じることとされています。
社会福祉士にとって「毎日が初演」の気持ちで望まなければならない支援は「面接」です。
介護保険制度のような説明する頻度の多い社会資源は、クライエントへの説明が厳かになりがちです。
クライエントの理解力に合わせた説明が重要であることは、説明不要でしょう。
また、「Show (ショー)」の考え方は「身だしなみを整えることが重要」されており、先述した「雑談力」の記事と同様な主張がされています。
ソーシャルワーク実践における時間の使い方を解説
ソーシャルワーク実践において、最優先事項の業務をこなすために有効な「時間の使い方」について解説します。どの分野の社会福祉士であっても共通の悩みであり、限られた時間の活用の仕方に四苦八苦していると思います。
そんな悩みには言わずと知れたベストセラーが解決してくれます。
- 時間に追われて、丁寧なソーシャルワーク実践が行えていない
- 深くクライエントに関わりたいけど時間がない
- もっと時間があれば、こんな支援やあんな支援ができるのに…
この本を読んでから、私は上記のようなことで悩むことは無くなりました。
ソーシャルワーク実践で上手くいかなかったことがあるたびに、この本を読み返すことになると確信しています。
ソーシャルワーク実践の時間は4つの領域に分けられる
「時間」は自分の意思に関係なく刻々と進むものであり、管理しようとしてもできるものではありません。
管理するべきなのは、「最優先事項を優先する」という、行動の順序です。
時間の使い方は4つの領域に分けられています。
この4つの領域を頭に入れて、ソーシャルワーク実践を行う必要があります。
4つの領域で1番重要なのは「緊急ではないが重要なこと」
4つの領域で最も重要な領域は、第Ⅱ領域「緊急ではないが重要なこと」です。
実際に、私も先日第Ⅱ領域に時間を使っています。
第71回公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会全国大会及び第43回日本医療社会事業学会へ参加してきました。
人としての成長に役立つ活動や、将来的に第Ⅰ領域「緊急で重要なこと」に対応する準備活動(研修参加、資格取得等)にするなどがあてられる時間であり「自分へ投資することの重要さ」を学ぶことに繋がりました。
「緊急で重要なこと」に追われるソーシャルワーク実践を避ける
多くの社会福祉士のソーシャルワーク実践は毎日が「第Ⅰ領域」に追われて1日が終わっています。
第Ⅰ領域「緊急で重要なこと」は、多くの時間を割くことになるため、なるべく委任してください。
委任できない環境であれば、「自分の部署以外で業務を行う」ことで頼まれない環境を自ら作り出します。
【まとめ】参考書に書いてあることがソーシャルワークの全てではない
ソーシャルワークは、意外と身近なところで実践が可能です。
日常生活のあらゆるところで自覚なく無意識な「サイレントソーシャルワーク(名前は私が勝手につけました)」が行われています。
ソーシャルワークという学問を、世界中に住んでいる方々の日常生活へ落とし込むことができたその先に「SDGs」が待っていると私は考えます。
「ウェルビーイングの増進及びエンパワメントの解放」を目的としたソーシャルワークという学問の普及は世の中を良い方向へ導くと確信しています。
今回は「参考書には載っていないソーシャルワークのアプローチ」を解説しました。ソーシャルワークアプローチに明確な正解は存在しないため、良いと思ったアプローチはぜひ可視化して言語化してみましょう。
以下の記事では「病院の「追い出し屋に」ならないためのアプローチについて解説しているので、こちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。
noteでは、医療ソーシャルワーカー(以下MSW)に関する具体的な「調整技術」について詳細に解説しています。
MSWが病院でソーシャルワークを実践するには、ソーシャルワークを実践するための「時間」を確保することが重要です。入院期間という限られた期間内で時間をを作るには個人や組織、地域との「調整技術」を磨く必要があります。
noteでもMSWの実践で役立つ交渉術や立ち回り、考え方を解説していますので、ソーシャルワークを展開するための面接や連絡調整における様々な技術を参考にしていただければ幸いです。
このたび、Keiが実践するミクロレベルを中心としたソーシャルワークの失敗経験を共有して、各ソーシャルワーカーの実践に落とし込むメンバーシップ(初月無料で月額590円)を開設しました。
Keiがソーシャルワーク実践の過程で得た学びや、考え方、直面した問題などを「一番近くの席で見られるリアルタイム型のメイキング」みたいなものです。
認定医療ソーシャルワーカーであり、救急認定ソーシャルワーカーでもあるKeiが、メンバーシップの会員しか読めない記事を1ヶ月に3回以上投稿しており、読み物としてお楽しみいただけます。
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