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ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)とは?【具体例を挙げて解説】

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noteメンバーシップを2024年7月から始めました。Keiが日常的に実践するミクロレベルのソーシャルワークで得た失敗経験を共有し、同じような失敗を予防していく狙いがあります。Keiは学者ではないので体験談が中心ですが、必ずみなさんの実践に還元できます。

・ソーシャルインクルージョンって何?

・ソーシャルワーカーとソーシャルインクルージョンの関連性を知りたい!

・ソーシャルインクルージョンはSDGsと関係あるの?

社会福祉士の国家試験においても頻出問題であるソーシャルインクルージョン(社会的包摂)ですが、どのような概念なのか詳細に把握している方は社会福祉士でも多くありません。

私は現役で社会福祉士合格後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。「忙しい」を言い訳にしてソーシャルワークがケースワークにならないように努めています。

この記事ではソーシャルインクルージョンについて分かりやすく且つ具体的に解説します。ソーシャルインクルージョンの概念を学んだことで、ソーシャルワーク実践に関する「考え方の引き出し」を広げることができました。

ソーシャルインクルージョンは、ソーシャルワーク実践において重要な概念です。この概念は社会が多様化するに連れて注目が集まっています。

ソーシャルインクルージョンを継続して意識するためのモチベーションを引き出す方法は下記で解説しています。

≫ モチベーションってどこから湧いてくるんですか?

ソーシャルインクルージョンはフランスが発祥の地

ソーシャルインクルージョン(Social Inclusion)は、社会学や心理学、教育学、公共政策などの分野で議論される重要な概念で、フランスが最も早く取り入れました。

日本で普及したのは2000年12月に厚生労働省が発表した「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会報告書」がきっかけです。社会的弱者(社会的排除)に対処する政策課題のひとつとされています。

ソーシャルインクルージョンは、多様な社会的背景や条件を持つ人々が、社会の一員として尊重され、参加し、自己実現できるようにすることを指します。

当たり前のように日常生活をしていると意識することは少ないですが、日常生活の道を一歩踏み外すと様々な問題が日本で起こっています。その問題に対してアプローチしているのがソーシャルワーカーです。

ソーシャルインクルージョンをわかりやすく解説

ソーシャルワーカーは、社会に対する倫理的責任としてソーシャルインクルージョンを働きかけることが義務付けられてます。日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)のホームページで掲載されている「ソーシャルワーカーの倫理綱領」で下記のように記されています。

ソーシャルワーカーは、あらゆる差別、貧困、抑圧、排除、無関心、暴力、環境破壊などに立ち向かい、包摂的な社会をめざす。

日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)ソーシャルワーカーの倫理綱領

ソーシャルワーカーである以上、ソーシャルインクルージョンを展開する責務があることがこの倫理綱領から読み取れます。

ソーシャルインクルージョンを実現するためには、重要なポイントが7つあります。

  1. 平等の権利と機会の提供
  2. 多様性の尊重
  3. アクセス可能性の確保
  4. 参加と協力
  5. 教育と意識向上
  6. サポートとアドボカシー
  7. コミュニティの協力

平等の権利と機会の提供

差別の排除:すべての人に、性別、年齢、宗教、性的指向、民族背景、障害の有無などに関わらず平等な権利を提供します。差別的な慣行や政策を排除します。

平等なアクセス:すべての人に、教育、雇用、医療、住宅、法的サービスなど、社会的サービスへの平等なアクセスを確保します。

Kei
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ソーシャルワーク専門職のグローバル定義でおなじみの社会正義の原理に基づいています。

多様性の尊重

文化的多様性の認識異なる文化やバックグラウンドを持つ人々の慣習や価値観を尊重し、異なる視点からの貢献を歓迎します。

性的指向とジェンダーアイデンティティの尊重: LGBTQ+コミュニティの権利を尊重し、性的指向やジェンダーアイデンティティに関する偏見や差別を排除します。

社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)より引用
Kei
Kei

多様性の尊重が重要であることはソーシャルワーカーであれば知らないはずがありませんね。

多様性の尊重はソーシャルワーク専門職のグローバル定義でも用いられているため、関連性が深いことが読み取れます。

≫ ソーシャルワークを簡単且つわかりやすく解説

アクセス可能性の確保

身体的アクセスバリアの解消:物理的アクセスバリアを排除し、障害者が建物や公共の場にアクセスしやすくします。車椅子用のスロープやエレベーターの設置などが含まれます。

情報へのアクセス:言語、視覚、聴覚の障害を持つ人々に対して、情報へのアクセスを提供するためのバリアフリーな手段を提供します。点字、手話、字幕などが該当します。

Kei
Kei

近所を散歩してみると、意外なところでソーシャルインクルージョンが展開されているなんてことがあります。ソーシャルインクルージョンを意識するだけで一味違った散歩ができます。

情報へのアクセスが不足する原因はマーケティング不足です。下記で解説しています。

≫ ソーシャルマーケティングについて解説

参加と協力

市民参加の奨励:人々がコミュニティや社会の活動に参加し、意思決定に関与できるように奨励します。市民団体やボランティア活動を支援します。

協力とパートナーシップ:政府、NGO、民間部門、市民社会の協力により、包摂的なプロジェクトやイニシアティブ(先導する)を推進します。

上記2つの補足ですが、異なる社会的背景を持つ人々を結びつけ、共同の利益や目標を追求する機会を提供します。地域ベースのプロジェクトやイニシアティブを通じて、人々が共に活動し、意見を交換できる場を提供することで市民主体のコミュニティが創り出されます。

Kei
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社会内での紛争や対立を解決するためには先述した「協力的」なアプローチの推進が必要不可欠です。

医療ソーシャルワークではアディクションの支援に応用されます。下記で依存症回復支援の解説をしています。

≫ 救急認定ソーシャルワーカーが実践する依存症回復支援

教育と意識向上

教育の普及:ソーシャルインクルージョンを教育制度に組み込み、次世代に多様性と尊重の重要性を教えます。

意識向上とトレーニング:企業や団体で差別や偏見に対する意識向上トレーニングを提供し、職場やコミュニティで包摂的な態度を促進します。

ソーシャルワーカーであれば差別や偏見がない訳ではありません。ソーシャルワークを勉強していく過程で差別や偏見に対する意識向上トレーニングを行なっているのです。

Kei
Kei

ソーシャルインクルージョンの概念を教育することでインターネットを中心とした誹謗中傷の問題を減らすことが期待できます。

私はスーパービジョンを通してスーパーバイザーから上記の考え方を学びました。スーパービジョンの重要性はnoteで解説しています。

≫ スーパービジョンの重要性

サポートとアドボカシー

弱者のサポート:社会的に排除のリスクの高い高齢者、障害者、経済的に困難な人々など、サポートが必要な人々に対して、適切なサービスとアドボカシーを提供します。

ソーシャルワーカーは弱者のサポートが欠かせません。病院へ受診するのと同時に社会的的側面の問題が顕在化することも少なくないため、ソーシャルインクルージョンを念頭に置いた支援が必要です。

Kei
Kei

病院の相談室にくる時点で、何らかの心理・社会的不安があることは明確です。

アドボカシーについては、下記の記事が参考になります。

≫ アドボカシーを認定医療ソーシャルワーカーが解説

コミュニティの協力

コミュニティの連帯:コミュニティメンバーが協力して、包摂的な価値観と文化をかもし出し、異なるバックグラウンドの人々が受け入れられる環境を作り出します。

紛争解決:紛争が生じた場合、包摂的な方法で解決し、対話と協力を通じてコミュニティ内の調和を維持します。

世界各国での紛争の原因が「対話不足」であることは明確です。各国の文化や伝統等の考え方の際によって「なんで私たちの考え方をわかってくれないんだ」という形で紛争が始まります。

紛争が良くないと分かっていても無くならないこの世の中はソーシャルインクルージョンの普及が急務です。

Kei
Kei

他国を牽制するために核兵器を用いたり、自国の言う事を聞かないから貿易を抑制したりすることは広い意味で「大人のケンカ」に過ぎません。

対話と協力を濃密にするにはプレゼンテーションの技術が欠かせません。下記で詳細に解説しています。

≫ ソーシャルワークにおけるプレゼンテーションを解説

ソーシャルインクルージョン実践の具体例

ソーシャルインクルージョンの実践は、社会全体に影響を与え、平等な機会と尊重の文化を醸し出すための重要なステップです。

多様性を尊重し、全ての人が自己実現し、参加できる社会を築くために、個人、コミュニティ、組織、政府が協力して取り組むことが不可欠です。

ソーシャルインクルージョンの実現には、個人、コミュニティ、政府、非営利団体、企業などの協力が必要です。実践的なアプローチの例を解説します。

差別や偏見に対する意識を高める教育プログラム

ソーシャルインクルージョンを促進するために、学校や大学で多様性と包摂に関する教育プログラムが導入されています。生徒や学生に異なるバックグラウンドや視点を理解し、尊重する重要性を教えます。

差別に対する意識向上として、企業や団体内での差別に対する意識を高めるトレーニングプログラムを実施し、差別の種類や影響について教育し従業員やメンバーが差別を防ぐためのスキルを身につけます。

ソーシャルインクルージョンを積極的に展開されている代表団体が、日本最大の社会福祉法人である「済生会」です。下記のサイトで済生会が取り組んでいるソーシャルインクルージョンが紹介されています。

シンク!ソーシャルインクルージョンを考えるWebメディア

上記のポストにも多くの「いいね」を頂いているように、社会福祉士であっても差別や偏見に対するトレーニングが必要です。

システム理論を活用することで、差別や偏見に対する考え方を変えることができます。

≫ システム理論を認定医療ソーシャルワーカーが解説

公共施設やウェブサイト等すべての人がアクセスしやすい環境を整備

物理的なアクセスバリアを取り除き、建物や公共交通機関、ウェブサイトなどが障害者にも利用しやすいように設計します。車椅子ユーザー向けのスロープや点字ブロックの設置などが含まれます。

異なる言語を話す人々に対応するために、公共の場やサービス提供において、情報提供や看板を多言語にし、文化的な多様性を尊重します。

例えば、日本赤十字社医療センターのホームページは、日本語表記のみならず英語表記に変換することが可能です。世界の共通言語である英語を用いることで、文字通りすべての人に対応可能です。

日本赤十字社医療センター

外国人に対する差別や偏見に対する啓発活動はじめとしたソーシャルアクションが、包括的な社会を築く手助けとなり、ソーシャルインクルージョンを促進します。

≫ ソーシャルアクションについて実例で解説

多様な人材を採用した包摂的な雇用政策

企業や機関は、多様なバックグラウンドや経験を持つ人材を積極的に採用し、職場の多様性を推進します。採用プロセスにおいて差別を排除し、公平な評価を行います。

障害者、LGBTQ+、コミュニティ、マイノリティなど特定のグループに対する包摂的な雇用政策を策定し、特別なニーズに対応します。

具体的な例として、厚生労働省の政策である障害者雇用率の設定が挙げられます。法定雇用率を2024年から2.5%、2026年から2.7%と段階的に引き上げられます。 教育委員会を除く、国および地方公共団体については3.0%に設定しています。

Kei
Kei

障害者雇用率が設定されている時点でまだまだ障害者雇用に対する差別があることが窺えます。

すべての人々にサービスを提供

医療、教育、心理社会的支援などのサービスは、すべての人がアクセスしやすいように提供される必要ががあります。

特別なニーズに合わせてサービスをカスタマイズし、バリアを排除することがソーシャルワーカーの役割であるといえます。

社会的に排除されるリスクの高い人々に対して、ソーシャルワーカーやカウンセラーが支援とアドボカシーを提供し、クライエントの権利とニーズを守ります。

病院に受診したくても、金銭等の問題で来院しない人や、治療を自己中断してしまう人がいます。ソーシャルワーカーはあらゆる社会資源を駆使してクライエントの権利を守らなければなりません。

≫ 医療ソーシャルワーカーの役割と現実

コミュニティ活動に多様な人々を参加させ、共感と協力を促進

コミュニティ内で多様性を祝うイベントやプロジェクトを促進することで、異なる文化や背景を持つ人々が共感し、協力しやすくなります。

コミュニティメンバー、団体、政府などが協力して包摂的な社会を築くための対話を行います。異なる利害関係者が共通の目標に向けて協力します。

京都済生会病院の院内にあるコーヒーショップ「NAKANOTEI COFFEE 西山」さんは就労継続支援B型事業として運営されています。「病院に用事がなくても立ち寄りたくなるコーヒースタンドをつくろう」いったようなフレーズが胸に刺さります。

NAKANOTEI COFFEE 西山障害ではなく「その人らしさ」を誰もが自分らしく働くことを発信する“病院の中のコーヒースタンド”を訪ねて

京都済生会病院

一般社団法人暮らしランプ

「対話」は人工知能(AI)で創り出すことはできません。「対話」を中心としたコミュニティの取り組みは、今後も様々な形で世に出回ることが予想されますが、その中心の輪にはソーシャルワーカーがいるべきです。

≫ 社会福祉士がAIに奪われない理由を解説

差別を防ぐための法律や政策を整備し、違反行為に対する制裁を設ける

社会的排除(ソーシャルエクスクルージョン)や差別に対抗するための法律と政策を整備し、違反行為に制裁を設けます。差別の告発と対処のプロセスを透明かつ効果的に運用します。

平等な機会の提供を保証する法律を制定し、差別を防ぎ、全ての人に平等な機会を提供します。

障害者の法整備は整っているとは言い難いです。障害者支援の核となる法律である障害者総合支援法は介護保険法と比較して「質」や「実行に移るまでの迅速さ」等大きく遅れをとっています。

法律の欠陥を逆手にとり、障害者支援と謳って悪徳なビジネスを行う企業も顕在化してきました。

≫ 現役社会福祉士6年目が本気で考える今後の需要と将来性

ソーシャルインクルージョンとSDGs (持続可能な開発目標)

ソーシャルインクルージョンとSDGs (持続可能な開発目標)は、共通の目標を追求し、より包摂的で持続可能な社会を実現するために密接に関連しています。

以下に、ソーシャルインクルージョンとSDGsの関連性を説明します。

SDGsの背景

SDGsは、2015年に国際連合加盟国によって採択された一連の目標と指針で、2030年までに持続可能な開発を達成するためのグローバルな枠組みです。

17の目標に分かれており、貧困削減、飢餓撲滅、教育の普及、ジェンダー平等、清潔な水と衛生、気候変動対策等様々な側面に焦点を当てています。

ソーシャルインクルージョンは、社会的な多様性を尊重し、全ての人々が社会の一部として参加できるようにすることを目指しています。

SDGsも、貧困、不平等、排除、環境問題など、社会的な包摂に関連する多くの目標を含んでいます。つまり、SDGsは包摂的な開発を推進するための道筋を提供しているといえます。

先述した17の目標の中でソーシャルインクルージョンの関わりが深い目標を解説します。

ソーシャルワーカーのアプローチを例にすることで容易に解釈できると思います。

SDG 1(貧困撲滅)

ソーシャルインクルージョンは、貧困層や社会的に排除された人々の包摂を促進し、SDG 1の達成に寄与します。

先日以下のようなポストをしました。

SDGs3(保健)にもまたがる内容ですが、医療ソーシャルワークの現場で遭遇する多くの貧困層は、健康も阻害されています。理由は明確で健康に投資するお金がないためです。

患者さんが貧困に至るまでの背景は、これまで5年以上医療ソーシャルワーカーを続けてきましたが本当に様々でした。ほんの一例は下記の通りです。

  • 事業に失敗した借金が原因で治療を自己中断
  • DVで病院に受診できない
  • 依存症
  • 精神疾患
  • 人間関係

貧困や社会的に排除された人々の包摂の解決はどのケースも一筋縄ではいかず、莫大な時間を要します。入院期間内で解決できないことも少なくないため、地域との日々の連携が欠かせません。

上記の例は、心理社会的アプローチを応用することが重要です。下記の記事で詳細に解説しています。

≫ 心理社会的アプローチ簡単ガイド

SDG 4(質の高い教育の普及)

ソーシャルインクルージョンは、異なる背景を持つ学生の教育へのアクセスを向上させ、SDG 4の達成をサポートします。

文部科学省が2023年10月3日に公表した統計では、2022年度の小中学校における不登校者数が過去最多の29万9,048人となっています。

昨今生活の多様化による様々な理由で学校に行くことができない学生が増加しており、スクールソーシャルワーカーの需要が高まっています。

しかし、厚生労働省が公表した令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査によると、スクールソーシャルワーカーは正規雇用は僅か6%で契約職員とパート タイム職員(短時間労働)が 93%を占めている状況です。

教育の現場で活躍する多くのスクールソーシャルワーカーの雇用形態が安定しておらず需要と供給が追いついていません。

文部科学省はスクールソーシャルワーカー活用事業を展開していますが、雇用形態は自治体に委ねられており、そもそも教員不足でスクールソーシャルワーカーの採用まで手が回っていないのが現状です。

日本ソーシャルワーク教育連盟等が、スクールソーシャルワーカーの常勤配置についての要望書を文部科学省等へ提出しています。

下記の記事で社会福祉士の現実を解説しています。

≫ 社会福祉士が普及しない理由

SDG 5(ジェンダー平等)

ソーシャルインクルージョンは、性別に基づく差別を減少させ、ジェンダー平等を推進します。

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義においてもジェンダーについて言及されていますが、現在の日本はジェンダー平等に向けて取り組んでいる真っ最中です。

日本は長い歴史の中で「女性」や「性の多様性」に対しての政策を怠ってきました。戦前に女性の選挙権が無かった事を考慮すると、男性主体の社会であったことが垣間見えます。

厚生労働省は、育児休業や介護休業にの政策を推進(育児・介護休業法)していますが、この法律が普及する前はこれらの休業を取得すると、異動や転勤等の嫌がらせで女性の社会進出や家族の介護を拒む企業がありました。

具体的な指標がないまま女性の社会進出を国が推進した結果、キャリアアップのために出産や結婚を断念する女性が多発し、日本の少子化をさらに加速させました。

Kei
Kei

「女性初の〇〇」とメディアで報道されるたびに世界の先進国からから遅れをとっているなと実感します。

≫ 認定医療ソーシャルワーカーがアドボカシーを解説

SDG 10(不平等の削減)

ソーシャルインクルージョンは、社会的な不平等を削減し、SDG 10の目標に合致します。

SDGsに関わる目標の多くが個別性を必要とするため、世界中で注目されている人工知能(AI)を十分に活用することが困難です。

不平等であるかどうかは個人の価値観が大きく影響するため、個別性を重視して実践するソーシャルワーカーはSDGsを普及させることができる専門職であるといえます。

ソーシャルインクルージョン、ソーシャルワークの概念を把握している社会福祉士が中心となってSDGsを日本中に広めていくソーシャルアクションを起こす必要があります。

≫ 社会福祉士とSDGs

SDGsはソーシャルワーカーとも密接に関わる

ソーシャルインクルージョンは、持続可能な開発における異なる側面に対する統合的なアプローチを提供します。これは、異なるSDGsの達成に向けて協力と協調を促進します

ソーシャルインクルージョンとSDGsは、包摂的な社会の構築と持続可能な開発の推進に向けた連携を強化し、社会的な不平等や排除を減少させるための共通の目標を追求しています。

この連携により、より公正で持続可能な未来を築くための基盤が整えられています。

先述した「ソーシャルワーカーの倫理綱領」においてソーシャルワーカーは社会に対する倫理的責任としてソーシャルインクルージョンを働きかけることとされているため、SDGsの普及させることもソーシャルワーカーの重要な役割です。

まとめ

ソーシャルインクルージョンは、多様性を尊重し、全ての人々に平等な機会と尊重を提供する社会の概念です。この概念は、社会的な不平等や差別に対抗し、より包摂的で公正な社会を築くための基盤となります。

実践的なアプローチと意識の向上を通じて、ソーシャルインクルージョンを実現することは、個人、コミュニティ、社会全体の発展と調和に貢献します。

今回は「ソーシャルインクルージョン」について解説しました。ソーシャルインクルージョンの概念を実践するには「ソーシャルインクルージョンを理解している組織」で働くことが重要です。

以下の記事では「MSWの理想の就職•転職」について解説しているので、こちらの記事も是非併せて読んでみてください。

≫ 認定医療ソーシャルワーカーが提案するキャリアプラン

noteではブログでは発信できないMSWの働き方について具体的かつ論理的に解説していますので「ソーシャルワーカーの業務を言語化したい」という方は必見になります。

≫ モチベーションの引き出し方、知ってますか?

 

このたび、Keiが実践するミクロレベルを中心としたソーシャルワークの失敗経験を共有して、各ソーシャルワーカーの実践に落とし込むメンバーシップ(初月無料で月額590円)を開設しました。

≫ ソーシャルワーク部メンバーシップはコチラ

Keiがソーシャルワーク実践の過程で得た学びや、考え方、直面した問題などを一番近くの席で見られるリアルタイム型のメイキングみたいなものです。

認定医療ソーシャルワーカーであり、救急認定ソーシャルワーカーでもあるKeiが、メンバーシップの会員しか読めない記事を1ヶ月に3回以上投稿しており、読み物としてお楽しみいただけます。

 

本を活用して勉強することもオススメです。以下の本は「MSWに一人一冊必要」といっても過言ではないほど、ソーシャルワーク実践に役立つ社会資源や制度の知識が満載です。

こちらもぜひご検討ください。

≫ 医療福祉サービスガイドブック 2024年度版

≫ 医療福祉相談ガイドブック【2024年度版】

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