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noteメンバーシップを2024年7月から始めました。Keiが日常的に実践するミクロレベルのソーシャルワークで得た失敗経験を共有し、同じような失敗を予防していく狙いがあります。Keiは学者ではないので体験談が中心ですが、必ずみなさんの実践に還元できます。
・ソーシャルアクションってなに?
・ソーシャルアクションは意識高い人がすること?
・具体的なソーシャルアクションの例を教えて
ソーシャルアクションという言葉は耳こそしますが「どんなこと?」と聞かれたら答えられない人は少なくありません。
私は急性期病院の医療ソーシャルワーカー(以下MSW)として5年以上働いています。現在は救命救急センターのMSWを担当しています。
社会福祉士現役合格後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。
当記事では「ソーシャルアクション」について解説します。この記事を読めば「社会福祉士が行うソーシャルアクションの重要性」について理解できます。
ソーシャルアクションは社会や地域のニーズの充足と課題の克服を目的としているため、展開する過程に応じて、学習会や調査などによる問題と要求の明確化が重要です。
ソーシャルアクションは、社会や地域の安心した暮らしを作るために必要不可欠です。
ソーシャルアクションを行うために流す1滴の汗は、誰かが流す涙を1滴減らします。高いモチベーションを維持する方法は下記の記事で解説しています。
ソーシャルアクションをアプローチする
株式会社メディックメディアが発行している社会福祉士国家試験のためのレビューブックによると、ソーシャルアクションは以下のような説明となっています。
ソーシャルアクションとは、利用者や地域住民等の課題の克服とニーズの充足のために社会参加の促進や制度・サービスの創出、改善、廃止あるいは思想の浸透、払拭を目指して行う組織的な活動である。
世論の喚起や集会・署名・請願・陳情等による議会や行政関係への要求を含めて社会改良的な性格を持っている。
社会福祉士国家試験のためのレビューブック
一言でまとめると「社会問題を解決するために、個人や団体が行う具体的な行動」です。
ソーシャルアクションの目的
ソーシャルアクションは、人々が一緒になって、地域やコミュニティの生活を改善し、重要な問題を解決することを目的としています。
ソーシャルアクションには、ボランティア活動、寄付、コミュニティ活動、近隣との助け合いなどが含まれます。
市民のコミットメントとスキルにより、社会的行動はコミュニティを力づけ、必要な人々を助け、公共サービスを補完することができます。
高齢化によって表出された課題は入院をきっかけに表面化することが少なくありません。MSWは、病気や障害によって日常生活が大きく変化するクライエントに多く遭遇します。
入院後に起きる課題に対して100%解決することはできません。以下はほんの一例です。
- 運転免許を返納することになって買い物にいけない
- 家族が仕事をしていて介護にまで手が回らない
- 一人暮らしで何かあったとき連絡がとれるか心配
上記のニーズがあるようなクライエントは発信する力がありません。地域の環境によって様々な社会的課題があるとわかっていながら、見て見ぬふりをし続けるのも心苦しいものです。
「人と環境の相互作用」に重点を置く心理社会的アプローチは、ソーシャルアクションと相性が良いため積極的に応用しましょう。
ソーシャルアクションは一般人でも行える
ソーシャルアクションに参加することは、ウェルビーイングの追求に関連しており、人々の自信とスキルを向上させることができます。
参加するハードル高そう…
影響力ないと難しそう…
ソーシャルアクションを起こす人は、社会福祉に強い関心を抱いている人が多いです。しかしソーシャルアクションには下記の3つのような特性があり、個人でも行うことができます。
- 規模(個人のみでも可能)
- 手段(社会福祉に貢献できれば何でもいい)
- 場所(限定された場所でする必要なし)
ミクロレベルでのソーシャルアクションはケースワークの延長であるため、まずはミクロレベルのソーシャルアクションを実践することがおすすめです。
個人で行うソーシャルアクションとしては資格取得がおすすめです。認定医療ソーシャルワーカーを取得する過程で様々なソーシャルアクションについて学ぶことができます。
私が行うソーシャルアクション【3つ】
ここまでの解説で、ソーシャルアクションが社会福祉士の仕事へ間接的に貢献することができることが把握できたと思います。
私も一人の社会福祉士として、社会に貢献できることはないかと考え、インターネットを通じた社会福祉士(さらに特化すればMSW)の普及活動を行なっています。
noteはMSWについて忖度なしで発信できる
noteは有料記事の発信ができることが非常に大きいと考えています。ブログやX (旧Twitter/ツイッター)は不特定多数の皆さんが閲覧されるため、尖った内容の記事を書くことができません。
本来であれば踏み込んで書きたい記事も、インターネットで好き勝手なことを発信すると、意見や解釈等の違いで私の発信に対してよく思わない方々が一定数でてくることが予想されます。
noteの有料記事で発信すれば、興味を持った方のみに記事を発信できるため、有効活用しない手はないと感じてはじめました。私の有料記事は、個人の見解も含まれるため、共感を得られない可能性もあります。
しかし、現場のリアルや、社会福祉士(特にMSW)の悩みに対して忖度一切なしの内容となっていますので、ぜひ購入して読んでみてください。その辺の参考書や抽象的なことしか発信しない専門家よりは具体的な内容に仕上がっています。
ブログは社会福祉士普及活動
公益財団法人社会福祉・振興試験センターによると、全国には約31万人を超える社会福祉士が登録されていることがわかります。しかし、世間一般に社会福祉士が認知されている実感はありません。
「社会福祉士はこんな素晴らしい実践を行なっている」と誇っていても、世間に気づいてもらえなければ意味がありません。
多くの人々は以下の仕事を社会福祉士が担っていることを把握していません。
- 入院して元の生活に戻れないクライエントのために支援を行う
- 行政で生活困窮者へ生活保護受給を斡旋する
- 判断能力が乏しい人に対して成年後見人になる
- 児童虐待に対して第一線でアプローチする
社会に大きく貢献している社会福祉士が日の目を浴びることができるように、ブログを通して、社会福祉士の基盤であるソーシャルワークを中心に発信しています。
X (旧Twitter)は社会福祉士の悩み把握
X (旧Twitter/ツイッター)は、私以外の社会福祉士がどのようなことで悩んでいるのかを把握するために始めました。私よりも先輩も多くいるため非常に勉強になることばかりです。
2024年6月現在1,500人を超える方々にフォローしていただいていますが、私の反響のあるポストは基本的にネガティブな内容に対する共感です。
医療ソーシャルワーカーが病院の「追い出し屋」と呼ばれるのが本当に許せない。
— Kei@社会福祉士 (@kei5850) September 8, 2023
病院の医療従事者の中で1番「追い出された」と思わせないように支援してる専門職なのに。
≫ 「追い出し屋」にならない交渉術を認定医療ソーシャルワーカーが解説
社会福祉士の悩みはまだまだ潜在化していることが汲み取れます。ソーシャルワークの多様性や権利擁護等を実践する立場であるため、ネガティブな発信は資格の特性上行いにくいのではないかという仮説が立ちます。
ソーシャルワーク実践を行うが故に、苦しんでいる社会福祉士が現場には非常に多くいます。
社会福祉士の働き方は社会福祉士が担保していかなければなりません。他の専門職は国に対して処遇改善に対するソーシャルアクションを起こしています。
ソーシャルワークの担い手であるなしに関係なく、社会福祉士も国へ処遇改善に対して訴えていくべきです。行政は基本的に受け身の姿勢であるため、意義を唱えないと何も変わりません。
このまま社会福祉士が、やりがい搾取の王道職業になるわけには絶対にいきません。
医療ソーシャルワーカーに限らないが、医療福祉の仕事でお金持ちになるのは難しい。
— Kei@社会福祉士 (@kei5850) September 18, 2023
社会に貢献できる一方で、財源に多くに税金や保険料が投与される為、収入の大枠は決まってしまう。いまだに医療福祉の仕事で儲かることを良しとしない風潮もある。
これが儲けられずに、やりがい搾取になる所以。
ソーシャルアクションの身近な例は意外にある
ソーシャルアクションを行う上で、社会問題の現状を把握することが重要です。日本においても、貧困や格差、差別、環境問題、人権問題など、多くの社会問題が存在しています。
これらの問題は、個人や団体の力だけでは解決できないものが多く、社会全体で取り組む必要があります。
社会問題に対して、ソーシャルアクションを行うことで、社会へ働きかけることが重要です。ソーシャルアクションには、以下のような具体的な方法があります。
環境問題に対するソーシャルアクション
環境問題はSDGsでも謳われている目標のひとつであり、世界中で社会問題になっています。
環境問題に対する代表的なソーシャルアクションは、署名活動を行なって政府や企業に対して要望を出す活動です。例えば、温室効果ガスの削減を求める署名活動が行われています。
大事なことだけど、自分にはこんなモチベーションないな…
先述しましたが、ソーシャルアクションは規模が大きければ良いというものではありません。
環境問題に対して個人でできるソーシャルアクションは以下のようなものがあります。
- エコバッグを持ち歩く:レジ袋を減らすことで、プラスチックごみを削減する
- 節水を心がける:歯磨きや手洗いの際に水を止める、シャワーを浴びる時間を短くするなど、日常生活での水の使用量を減らす
- リサイクルに協力する:古紙、古布、プラスチックなど、リサイクル可能なものを分別し、回収することで、資源の有効活用につながる
- 公共交通機関を利用する:自家用車を利用するよりも、公共交通機関を利用することで、温室効果ガスの排出量を削減する
- 食品ロスを減らす:食品を無駄にしないように、賞味期限の近いものから消費する、余った食品を冷凍するなど、食品ロスを減らす
環境問題に対するソーシャルアクションの一例です。「これってソーシャルアクションなの!?」と思った方も少なくないと思いますが、上記の行動や活動はソーシャル(社会に対する)アクション(行動、活動)です。
募金活動によるソーシャルアクション
募金活動を行うことで、社会問題に対する意識を高め、解決に向けた取り組みを促すことができます。募金活動を通じて、社会問題に対する取り組みを行っている団体やNPOに対して、支援を行うこともできます。
日本赤十字社の募金や、社会福祉協議会が実施している赤い羽根共同募金や歳末たすけあい募金へ協力することが挙げられます。
募金活動によるソーシャルアクションの具体的な例としては、以下のようなものがあります。
- 災害支援募金:災害発生時に、被災地の支援のため
- 病気や障害の支援募金:病気や障害を持つ人々の支援のため
- 子ども支援募金:貧困や虐待などの問題に直面している子ども支援ため
- 環境保護募金:環境問題に対する取り組みのため
寄付者一覧にKei@社会福祉士の名前が掲載されています。
募金活動は身近な場所で行われています。募金=ソーシャルアクションの自覚はなかったかもしれませんが、間接的に社会に貢献しています。
募金活動によるソーシャルアクションは、社会問題に対する意識を高め、解決に向けた取り組みを促すことができます。
コンビニやスーパーなどでも様々なソーシャルアクション(募金活動)が行われていることがわかります。
ボランティア活動を通じたソーシャルアクション
ソーシャルワークにおいて解決しなければならない社会問題に対して、自分たちの手で解決しようとする活動です。ボランティア活動を通じたソーシャルアクションには、以下のようなものがあります。
- 地域清掃活動:地域の公園や道路などを清掃することで、地域の美化や環境保全に貢献する
- 高齢者支援活動:高齢者の方々の生活支援や孤独感の解消など、高齢者に対する支援を行う
- 障がい者支援活動:障がい者の方々の生活支援や社会参加の促進など、障がい者に対する支援を行う
- 災害支援活動:災害発生時に、被災地の支援のために物資を集めたり、ボランティアとして被災地に赴いたりする
- 子ども支援活動:貧困や虐待などの問題に直面している子どもたちの支援のために、学習支援や遊び相手などを行う
ボランティア活動の心構えや注意点などの啓発、各機関やボランティアの調整などを行う人をボランティアコーディネーターと呼びます。
ボランティアコーディネーターは、社会組織のネットワーキングや、社会資源の開発等の機能も担うためを社会福祉士が抜擢されることも少なくありません。
ボランティアコーディネーターは社会福祉協議会やNPO法人等で活躍しています。
まとめ
今回は「ソーシャルアクション」について解説しました。ソーシャルアクションをMSWが行うためには実践する環境が重要になります。
以下の記事では「MSWのキャリア形成」について解説しているのでこちらの記事も是非併せて読んでみてください。
noteではブログでは発信できないソーシャルワーカーの実践について具体的かつ論理的に解説していますので「ソーシャルワーカーの業務を言語化したい」という方は必見になります。
このたび、Keiが実践するミクロレベルを中心としたソーシャルワークの失敗経験を共有して、各ソーシャルワーカーの実践に落とし込むメンバーシップ(初月無料で月額590円)を開設しました。
Keiがソーシャルワーク実践の過程で得た学びや、考え方、直面した問題などを「一番近くの席で見られるリアルタイム型のメイキング」みたいなものです。
認定医療ソーシャルワーカーであり、救急認定ソーシャルワーカーでもあるKeiが、メンバーシップの会員しか読めない記事を1ヶ月に3回以上投稿しており、読み物としてお楽しみいただけます。
本を活用して勉強することもオススメです。以下の本は「MSWに一人一冊必要」といっても過言ではないほど、ソーシャルワーク実践に役立つ社会資源や制度の知識が満載です。
こちらもぜひご検討ください。
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