noteメンバーシップを2024年7月から始めました。Keiが日常的に実践するミクロレベルのソーシャルワークで得た失敗経験を共有し、同じような失敗を予防していく狙いがあります。Keiは学者ではないので体験談が中心ですが、必ずみなさんの実践に還元できます。
みなさんこんにちはKeiです。
救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカーとして働いている社会福祉士9年目です。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。
noteとX (フォロワー2,400人以上)を500日以上毎日更新しています。
ソーシャルワーク関連のブログも発信中です。
本日は、『ソーシャルワーカー個人としての歴史を刻む』というテーマを深掘りします。
「時間」はAIに代替されない
たとえばAIは、「30年間、毎年書き続けられてきた手紙」という時間そのものを生み出すことはできません。
人間は、そこに費やされた時間や、積み重ねられた年月に意味を見いだし、価値を感じる生き物です。
「この手紙は、亡くなった祖父が30年間、毎年書き続けてきたものなのか……」
そう知ったとき、私たちは、単なる文章以上のものを感じます。
一枚の紙に書かれた言葉そのものではなく、そこに込められた「30年」という時間を想像するからです。
どれほど優れたAIであっても、30年という時間を一瞬で埋めることはできません。
AIは文章を生成することはできても、そこに「積み重ねられた時間」まで生成することはできないのです。
時間そのものは誰にとっても平等に流れますが、同じ土地(地域)で流れた時間だけは、その土地にいた人だけのものになります。
同じ病院に20年いたソーシャルワーカーと、今日から転職してきたソーシャルワーカーでは、地域に投下した「時間」の量がまったく違います。
これは能力の差ではなく、「時間の差」なので、真似ができません。
転職してきたソーシャルワーカーがどれだけ優秀でも、20年分の時間は今日から積み上げるしかありません。
AIがどれだけ賢くなっても、この20年根ざした時間には簡単に追いつけません。時間を費やして独自に発展してきた地域事情を、AIは汲み取ることができないからです。
たとえば、当院からある病院に転院するときは、大型トラックの工業地帯を通るので、日中大変混み合います。ナビ上だと10分足らずの表示なのに、実際には30分ほど時間がかかります。
また、A介護タクシーは、24時間営業だが、毎週水曜日は固定客の通院の付き添いがあるので、午前中の対応ができません。
こういった地域に根ざした情報は、インターネットには掲載されていません。
制度の教科書にも、病院のマニュアルにも書かれていません。同じ地域で何年も活動しているソーシャルワーカーの頭の中に、地域のネットワークとして蓄積されています。
これは知識ではなく、地域に身を委ねる中で身につく「勘(土地勘)」です。検索して手に入るものではありません。

地域が先、関係性が後
ここで、大事な順序があります。地域が先で、関係性が後です。
関係性を深めることで、「この人に頼みなら聞いてあげたい!」と思ってもらえる属人的な力を発揮できます。
#良い意味での癒着
これは、狙って作ろうとすると、大抵うまくいきません。
人間関係のテクニックだけを磨いても、土台がなければ長続きしないからです。
関係性は地域の上にしか育ちません。
同じ地域に居続けるからこそ、同じケアマネ、同じ地域包括支援センター、同じ介護タクシーと、何度も何度も顔を合わせることになります。
その反復が、信頼に変わり、信頼は指名につながります。
関係性とは、地域に張り巡らされたネットワークの中で、あとから勝手ににじみ出てくるものです。
#副産物的な要素
先に関係性だけを狙うのではなく、まず先に地域に根を張る。
この順序を間違えると、テクニックだけが空回りします。
どれだけコミュニケーション能力が高くても、転職や異動を繰り返していては、地域に根ざした時間が少ないため、属人的な指名力は築きにくいものです。
制度知識も豊富で面接が上手くても、現場では、20年その地域根ざしたソーシャルワーカーの方が、話が早くまとまることが往々としてあります。
既にに「地域との関係性」という資産を持っているからです。
能力の差は、地域に積み重ねてきた時間の前では、意外と小さいものです。
知識はAIに渡していい
知識の部分は、もうAIには叶わない時代になります。
制度の更新も、地域の統計も、平均的な支援パターンも、AIの方が速くて網羅的です。
そこで張り合う必要は、まったくありません。
守るべきなのは、知識ではなく「地域」と「関係性」です。
今日いる病院、今日会っている地域の方々との反復こそが、誰にも真似できない資産になっていきます。
異動せず、同じ地域に居続けること自体が、実は静かに競争優位を積み上げている行為なのです。
知識で戦うのではなく、時間で戦うということは、地味な戦略に見えるかもしれません。
派手なスキルアップでも資格の取得でもなく、ただそこにい続ける地味な積み重ねこそが、誰にも真似できない強みになります。
時間をお金で買えないのと同じように、「その地域に20年いた」という事実だけは、どうやっても短縮できません。
先に根を張った人から、順番に積み上がっていく。割り込みができない。だからこそ、資産になります。
今日も同じ病院に立ち、同じ地域の人たちと顔を合わせる。その繰り返しが、昨日よりわずかに厚みを増した時間になっていきます。
焦って動き回るより、まず地域に根を張る。知識で戦うのではなく、時間で戦う。
それが、AIには代替できない、これからのソーシャルワーカーの生存戦略です。
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ではまた。


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